Rubyist Hotlinks 【第 19 回】 伊尾木将之さん

はじめに

著名な Rubyist にインタビューを行う企画「Rubyist Hotlinks」。 今回は 2006 年度上期未踏ソフトウェア創造事業に採択された機械猫モッカーや、rubytok の作者である伊尾木将之さんにお話を伺いました。お楽しみください。

プロフィール

ioki1.jpg 伊尾木将之さん

好きな言葉
なし
尊敬する人
手塚治虫、藤子不二雄
ご本人のサイト
機械猫の日記

インタビュー

聞き手
ささだ
語り手
いおきさん
日にち
2007 年 7 月 5 日
場 所
秋葉原

目次

プロフィール

ささだ 本日はどうぞよろしくおねがいします。

いおき よろしくおねがいします。

年齢、出身、家族

ささだ まずはプロフィールですね。生まれた年。

いおき 1979 年ですね。

ささだ あ、そっか。同い年なんだ。何月?

いおき 一月です。

ささだ 私よりも学年は一個上なんだ。

いおき すみません、勝手に年上だと思ってました (笑)

ささだ (笑)。俺、逆だと思ってたんだけど (笑)

いおき (笑)

ささだ ご出身は。

いおき 大阪の大阪市ですね。

ささだ ずっと大阪?

いおき そうですね。生まれも育ちも大阪で。

ささだ で、今は東京で。就職してから出てきたんですか?

いおき そうですね。ずっと大阪にいたんで。

ささだ なるほど。

ささだ 家族構成。

いおき 両親と弟が約一名。

ささだ 最近結婚されて。

いおき 僕?

ささだ 「僕?」って、ほかに誰がいるの (笑)

いおき 弟結婚してるのかって質問かと思いました (笑)

ささだ 俺が知ってるはずがない (笑)

いおき 何でそんなこと聞くんやろーと思いましたよ (笑) この人はなんで弟のこと調べてんのやろってマジで考えて、あ、俺かみたいな (笑)

ささだ (笑)。普通に嫁がいて、とかになるのかと思って。いや、びっくりしました。家族構成はこんな感じで。弟さんがいるんですね。

好きな言葉

ささだ 好きな言葉、座右の銘。この辺もオブジェクトの広場のパクリなんですよ。

いおき おー。ちなみに何を答えられました?1

ささだ 「人生思うがまま」というのが私の座右の銘なんですよ。2

いおき いいですね。座右の銘を持っているというのがすごいですね。中々ないじゃないですか。気分によってころころ変わったり。

ささだ 今の気分は?

いおき 難しいですね (笑)

ささだ あまりそういうことは考えないか。意識していることも少ないですよね。

いおき そうですよね。あと、思ってても夜盛り上がった気分のときに、思ってみるだけみたいな。

ささだ 夜盛り上がったときね (笑)

いおき 無いですか? 夜一人で誰かに向けて手紙を書いていると、朝恥ずかしくて破っちゃうとか。

ささだ (笑)。夜、手紙書かないですよ。今は紙の手紙なんか全然書かないもん。

いおき 昔、昔のことです。

ささだ 文通とかしたの? あ、恋文とか。

いおき まぁ、とかもそうですけど。

ささだ すげぇ。やったこと無い。

いおき まぁ、そういう人もいましたよ。

尊敬する人

ささだ 尊敬する人。

いおき 尊敬する人は結構一杯いるんですけど。

ささだ たくさん並べておかないと、後でなんか言われるかもしれませんね。「何で俺がいないんだ」って (笑)

いおき あー、そうですね (笑)

ささだ そういう意味では、死んでいる人の方がいいよね。あと、関わりの無い人。3

いおき やっぱり手塚治虫とか、藤子不二雄とか。

ささだ いおきさんはドラえもん大好きって話ですよね。

いおき そうそう。

ささだ 作品に対して、すごいと思うから、その作者もすごいって感じ?

いおき 手塚治虫と藤子不二雄以外でも、大好きな作品は多いんですけど。本当に心底、この人大好きだって思えるのって、手塚治虫と藤子不二雄ぐらいですかね。浦沢直樹とかも読みますし、すごい好きなんですけど、あの二人には、まだ僕の中ではちょっと違うかな。 一時期、手塚漫画は全部集めたかったんですけど、途中で断念しました。お金が続かなくて。それでも 200 冊ぐらいは集まりましたね。

ささだ 今もあるんですか?

いおき 実家に置いてます。

ささだ あれだけの数を描いているだけでもすごいですよね。

いおき 結構同じ話も多いですけどね。

ささだ (笑)。キャラクターも一緒のが多いし。

いおき そうそう。

ささだ 今風というか、今ありがちな、なんかきれいな画とかだと続かないですよね、きっと。

いおき あー、描けなかっただけかも分からないですよね。画って意味では劇画と手塚先生の係わり合いも面白いですよ。まぁ今は関係ない話ですけど。

ささだ 最近だと、すごく凝った画を書いている人が多いと思うんですけど。そっちにシフトしていて、なんか手塚治虫みたいな、すごい勢いのある人って中々いない感じですかね、今だと。

いおき あー、でも一時期は浦沢直樹なんかはすごいなと思いましたけどね。MONSTER 描いてる途中に 20 世紀少年描いて、PLUTO 描いて。こいつはすげぇなって。

ささだ 面白いですよね。PLUTO は鉄腕アトムですよね。

いおき そうですね。

ささだ 鉄腕アトムは好きでした?

いおき うーん、アトムは正直そんなに好きじゃないですね。どっちかっていうと、ブラックジャックとか陽だまりの樹とかが好きでした。 あ、あとブッダとか、火の鳥とか、アドルフに告ぐ、七色インコ、後、変わったところでドン・ドラキュラ。

ささだ 最後あたりが分からない (笑)

いおき ドン・ドラキュラですか? そうですね (笑) 手塚先生にしては珍しくギャグ漫画ですからね。あんまり有名じゃないかも。手塚先生の話なら数時間、下手したら 1 日喋ってしまいそうですよ。

ささだ じゃぁ、この話はおいておいて (笑)

代表作・著作

ささだ 代表作。

いおき 代表作って無いですよね。

ささだ いやいや、未踏でやったじゃないですか。

いおき やりましたけど。Java ですしねぇ。

ささだ ちなみに、いおきさんは未踏ソフトウェア創造事業の、2006 年度上期に、千葉 PM に採択されて機械猫モッカーを作ったと。

いおき そうですね。

ささだ Java 用のテスト用モックオブジェクトの自動生成用ツール。

いおき はい。……まぁ、何ですけど。内部実装がかなり汚かったていうので、色々怒られまして。

モッカーって何やってるかって言うと、Java のインタープリタみたいなことをやってるんですけど、結構 Java 言語の所に制限をおいてるんですよ。こういうものはパースしません、みたいな。それをきちんとあまり Web に書いてなかったんですね。書き忘れてて。あと、インタープリタの実装が良くないってよく怒られますね。

ささだ あーなるほど。任意の Java の式を書けると勘違いして、できないじゃんって怒るみたいな。

いおき それもあるかもですねぇ。まぁ確かにバグもあったりするんですけど。で、中を見てみたらなんやこりゃ、みたいな。

ささだ ソフトウェアというと他には。

いおき ソフトウェア……他にはコンセプトツールみたいなので、 rubytok 4 とかって作りました。

ささだ Ruby Testing on Kikaineko。

いおき ほんと、なんちゃって実装なんで、コンセプトツールなんですけど。

ささだ 何をするんですか?

いおき 要は、コメント形式でテストコードが書ける。

ささだ あー。この #>> の下に書いたものをテストコードとして切り出すと。

いおき そうです。やってるのは、すごい単純な解析なんで、Ruby で 100 行ぐらいなんですけど。

ささだ ユーザーは?

いおき ユーザーはいるんですかね? 自分では使ってますけど。

ささだ 今も使っている?

いおき そうですね。

ささだ じゃあ、ここでアピールするというのはどうでしょう。それともるびまに記事を書くというのは。ユーザー増えますよ、きっと。

いおき いやー、また怒られそう。でも、一番の代表作って、ソフトウェアじゃなくて、次の著作とも絡むかもしれないんですけど、日経ソフトウェアに連載していた、「Ruby の歌を聴け」ですかね。

ささだ あとは本を書いてますよね。Rails の本。(実践 Ruby on Rails Web プログラミング入門)

いおき ああ、そうですね。あれも……ふふっ。あれもだめだめかも分かんないですけど (笑)

ささだ え、なんかネガティブですね (笑)

いおき ちょっと、ダウナー系なんで。あの本も結局、Java 開発者に向けたもんなので、いわゆる Ruby 本とは毛色がちょっと違うかなとは。

ささだ 買いましたよ。

いおき おお、ありがとうございます。

ささだ 読んでないけど。

いおき 読んでくださいよ (笑)

ささだ Rails の本は、一応全部買ったんですよ。

いおき すごいですね。めっちゃありません?

ささだ 買ったんですけど、一冊もまともに読んでない (笑)。Rails やるぞ、と思ってがんばろうとしたんですけど、まだがんばれない (笑)

いおき (笑)

ささだ これは共著ですよね。

いおき そうですね。倉貫さんと、松本さんと、長瀬さんと書きました。倉貫さんが XPJUG っていう、エクストリームプログラミングのコミュニティがありまして、そこの会長をやってはるんですよ。

ささだ その話も後でやりますかね。

好きなメソッド、嫌いなメソッド

ささだ 好きなメソッド、嫌いなメソッド。2007 年になってもこれかって話もあるんですけど。

いおき 良いんじゃないんですか (笑)

ささだ まぁ、全員に聞いているので。

いおき 好きなメソッド……なんですかね。each とか。べたかもしれませんけど、かなりあれに助けられているんで。

ささだ なるほど。あんな簡単なものから Enumerable ないろんなことができてすごい、みたいな。

いおき あれだけでこんなに世界が広がるのかっ、みたいな。アクセスって、前から順番だけでいいんだっ、みたいな。後はなんでしょうね。next とか地味に好きだったりするんですけど。

ささだ next はメソッドじゃないけどね5

いおき え、そうなんですか?

ささだ next でしょ?

いおき そう。String の。

ささだ え? succ じゃなくて?

いおき succ の別名じゃなかったでしたっけ。

ささだ あ、なるほど。succ しか使ったことなかった。

いおき えーっ。

ささだ succ でいいじゃん (笑)。予約語とかぶるじゃん、next って。

いおき あー、なるほど。確かに。そういわれればそうですね。

ささだ succ ってそんなに使わないでしょ?

いおき Excel とかにアクセスすると、ABCD の順番が next と同じなんで。

ささだ あー、横方向 (column) の。

いおき あそこで結構使うんですよ。

ささだ なるほど、使うんだ。それはなんかはじめて知った。

いおき 僕は最初、succ しか知らなくて、次の文字を表示するメソッドなんやったら、next でええんちゃうかと思って、irb でぴろぴろって next って打つと、「あったー!」みたいな。 「なんて素晴らしいんだ、この言語はっ」。

ささだ (笑)。なるほど。それはなんか、感動的ですね。

いおき いや、超感動しました。その時。たぶんみなさんそうだと思うんですけど、「こういうメソッドがあるんじゃないか」とか、「こういう使い方ができるんちゃうん?」みたいなんを、ぴろぴろって irb で試してみると、「あったーできたー」みたいな。

ささだ なるほど。

いおき あんときは、すごい気持ち良いですね。irb でって、マニュアル見れば良いじゃんみたいな。それをやったら負けだと。あのー、青木さんには申し訳ないですけど、マニュアル読めって言われたらそうなんですけど (笑)。なんかどうしても irb で methods を呼んでみたりとか。

ささだ そっか、irb 使いか。

いおき 使わないんですか?

ささだ 使わないですよ。

いおき えええーっ。なんで?

ささだ 全部エディタ上でやっておけば、履歴も残るし6。そんな私の話はどうでもよくて、irb も好き、と。

いおき irb も大好きですね。

ささだ 石塚さん love みたいな。

いおき もうそうですね。最初、石塚さんを irb の作者だと知らなくて、会社の勉強会でお会いして。なんか、変な……あ。

ささだ (笑)

いおき いや、あー、げふっげふん、素敵なおじさんがいてるなーと思ってたんですけど。そしたら irb の作者かーって。

ささだ Ruby の名付け親ですよ。7

いおき ねぇ。すごいですよね。

ささだ これがなんか変な名前だったら、誰も使ってないですよね、きっと。

いおき Ruby もね、なんかたまに女の人から不評な声を聞くことがあるんですよ。

ささだ 女性から? Ruby という言葉に?

いおき そうそうそう。

ささだ というと?

いおき なんか、「なんで Ruby なん?」みたいなことを聞かれて。「誕生石で Perl の次らしいで」「うわー」(笑)

ささだ え、何で?

いおき 「そういう発想してるとこが、なんか IT ぽーい」みたいな (笑)

ささだ 「ああ、なるほど」とはならないんだ (笑)。これでたとえば昆虫とか魚の名前とかだと、「なるほど」になるのかな。

いおき いやー、なんないんじゃないですかね。

ささだ 何言ってもだめなのか。

いおき たぶん何言ってもだめだと思いますよ。

ささだ では、嫌いなメソッド。

いおき 嫌いなメソッド?……なんかね、Java から入っているので、基本的には Ruby の方が全然良いなとか思うんですけど、唯一、+ 演算子だけ Java の方がいいなと思うんですよ。

ささだ ほう。その心は。

いおき Java だと String と int を足すと、String に読み替えちゃうじゃないですか。あれに慣れちゃっているので。

ささだ あー、やってくれよと。

いおき そうそう。

ささだ Perl だったら何でもやってくれるじゃん、と。

いおき (笑)。だからいつも to_s つけ忘れて。

ささだ でも Java でも int + String って、エラーですよね。

いおき いや、なんないですよ。

ささだ あれ、String になるんでしたっけ。

いおき String ですね。

ささだ あそっか。なんか勘違いしてるな。前の型に引きずられてるイメージがあったんだけど。

いおき いや、そうじゃなかったですね。モッカーを実装したときもそういう処理を解析するコードを書いたので。

ささだ そういえば、昔 int を文字列化するときに、toString ってやるのがめんどくさかったんで。int 変数 + “” みたいなことをやったような記憶があります。

いおき あー、はいはいはい。確かにそうなりますね。

ささだ + の挙動はもっとこう、フレキシブルになってくれと。

いおき でも、そうすると引数の型によってもともとある型と違う挙動になってしまうので、それはそれでクラスをベースとするオブジェクト指向としてどうなのかというのは……。まぁ分かるんですけど。

ささだ ついやってしまうのがいけない。

いおき そそそ。

Ruby について

Rubyist になったきっかけ

ささだ Rubyist になったきっかけは。いつぐらい?

いおき 2003 年に会社に入って、そこで初めて Java を教えてもらったんですよ。研修でですけど。で、それまでって、Fortran しか……まぁ C もちょっとやってましたけど、ほとんど Fortran しか書いたことが無くて。Fortran からすると、Java はなんてすごい言語なんだろうと。

ささだ なんて素晴らしいんだろうと。

いおき ええ。こんなに簡単にいろんなデータ型が作れるんだ、みたいな。

ささだ おおお。

いおき こんな柔軟に。ってずっと思ってたんですけど、2003 年とか 2004 年に XP とかがすごい流行ってたじゃないですか。それで XP とかの本も当時やっぱり興味があったんで。まぁ今もありますけど。本を読んでてみてるとこう、マーチンファウラーとかが Ruby、Ruby って言ってたんですね。で、そんなに言うんだったらちょっとやってみようかなっと思って。それで始めたのがきっかけですね。

ささだ そのときは独学で。

いおき あ、そうですね。はい。

ささだ 2003 年や 2004 年だったら、もう結構本も出てて。

いおき まぁそうですね。最初に本を買ったのは、arton さんの邪道本ですかね。

ささだ (笑)

いおき 結局 Excel にアクセスしたかったんで、買ったって言う。

ささだ なるほど。まぁでも Ruby 使ったって言うことですよね。で、さっきの succ が良かったって言う。で、Ruby いいじゃんと。

いおき そうですね。気がつけばどっぷりはまってました。

ささだ で、そのまま。でも仕事では Ruby 使わないんですよね。まぁツールか何かを作るのはあるかもしれないですけど。

いおき うーん。そうですね。納品物っていうのは無いですね、やっぱり。

ささだ まあでも、お仕事で使っていて。趣味とかでもやってたんですか。

いおき 趣味……そうですね。でも最初は何で使い始めたのかな。でもやっぱり、何かのログファイルを解析してくれとかそんな系からだと思いますよ。

ささだ まぁありがちな。

いおき あと、データ生成ツールを作ってくれみたいな。

ささだ Fortran とかしか知らないんだったら、Perl も知らなかったってことですよね。

いおき そうっすね。print ぐらいはかけましたけど (笑)。だからほとんど、僕は全然言語をあんまり知らなくて。ちゃんと勉強したのは、ほんと Java と Ruby ぐらいで。後はなんとなく書けるし、なんとなく知ってるっていうだけで。

現在の Ruby との付き合い

ささだ 現在の Ruby とのお付き合い。

いおき ……皆さんどう答えてましたっけ。

ささだ なんだろうな。なんか作ってるとか、関係ないとか (笑)

いおき (笑)。いやもう、日々助けられてますよね。やっぱり。仕事で新しい環境に入ったら、まず Ruby をインストールするところから始めるので。

ささだ Windows?

いおき Windows でも Linux でも。

ささだ Windows だと何入れてます?

いおき OneClick-Installer です。あれやっぱり、人に渡すのに一番やりやすいんですよ。

ささだ なるほど。

Ruby の好きな所と嫌いなところ

ささだ Ruby の好きなところと嫌いなところ。

いおき 好きなところ……なんでしょう。Dave もこの前公演 8の中で言ってましたけど、Ruby は私と同じように考える、確かそんな風に言ってたと思うんですよ。要は驚き最小の原則? 最近はまつもとさんも言わなくなってきましたね。でもやっぱりああいう感覚があるなと思っていて、どうせこう書けばこう動くんだろと思って書けば、そう動いてくれる。自分の書きたいことに集中できるってのは気持ちいいですよ。

ささだ 嫌いなところ。

いおき 嫌いなところ……。

ささだ さっき、+ の話がありましたが。

いおき そうですね。でも、それぐらいですかね。普段使ってて嫌だなと思うところって。色々思うところはあったりするんですけどね、でも忘れちゃいました (笑)。あれかな。eval の動きが良く分からないときがありましたね。

ささだ あー。なるほど。

いおき なんか変数の影響ってどうなんだろうとか。

ささだ まぁ、分かんなくていいですよ。

いおき そうすか (笑)。eval も結構使うんですけど。

ささだ あれに依存していると、色々大変なことになりますよ。

いおき YARV でですか?

ささだ そうそう。

Ruby での成功事例

ささだ Ruby を使って成功だった、うまくいったという事例は何かありますか。

いおき うーん、何でしょうね。ちょっと違うんですけど、基本的に僕は Ruby を広めたかった。周りの人には。誰か困ってる人を見つけては、Ruby でできるよ、みたいな。

ささだ おお。布教活動をしていたと。

いおき ええ。で、ちゃらちゃらとツールを作って渡して、とか、そういうのをやってたんですけど。そうすると色々感謝とかされて、後で色々と助けられたと。そういうのも一個の成功事例なのかな。

ささだ おー。いい話ですね。オチとしては、みんなに鬱陶しがられる話かと思ってた (笑)

いおき いえいえ、そうじゃなくて (笑)

ささだ それはいい話ですね。

いおき 逆に、ホイホイと頼まれるようにはなったんですけどね (笑)

ささだ (笑)。なるほど。君これ得意でしょ、みたいな。

いおき そうそう。ちょっと Excel のこれ、解析してよ、みたいな。でも、その代わり、僕のところでは実行しませんよ、自分のところで実行してね、Ruby 入れてね、と言って布教してました。

ささだ なるほど。それは中々すごいですね。他のインタビューでは、普通に使っていて、特に成功とかなにも無いよねって話が多いんですけど (笑)。いい話でした。

いおき ありがとうございます (笑)

Ruby のキラーアプリケーション・ライブラリ

ささだ 自分にとって、これはキラーアプリケーションとかキラーライブラリだったなという、何かこれは便利だったなという Ruby 製の何かはありますか。

いおき 結局、Perl とかほとんど知らなかったので、それ Perl にもあるよって言われちゃうかも分からないんですけど、最初に一番驚いたのは、Dir.glob。あれが再帰的に勝手に検索してくれてるってのが。

ささだ あの、コメコメ (**) ってのが。なるほど。シェルにもあるよねって (笑)

いおき そうなんですけど (笑)。ずっと Windows で使ってたんで (笑)。いちいち Java で書くのもウザイしなーみたいな。

ささだ 私も同じなんですよ。Windows だったので。UNIX 由来の機能ってたくさんあるじゃないですか。そういうのがいちいち分からなくって。ああ、なるほどっていうのはあるんですけど。

いおき あとファイルの open(…).each_line ですかね。これも衝撃でした。

ささだ open と each_line?

いおき File.open(…).each_line9

ささだ ファイルオブジェクトを閉じないのはまずいんでは。そういうのは気にしてはいけない?

いおき あ、もうそんなのは思わなかったっすね。これでいいんや、みたいな。

ささだ なるほど。

いおき そうそう、ファイルを開くとかも、何か分かるんですけど、何か違うなってずっと思ってたんですよね。

ささだ Java とかで。

いおき ええ。Java だとあまり open するっていう意識は無いですけど、C とかだと明示的に open してファイルサイズがこれだけだからとか考えるじゃないですか。いちいち改行コードを見つけてこうしてああしてとか。あれがすごいウザイなっていつも思っていて。それが Ruby で初めてこんな書き方ができるんだっていうのを知って、これはすげえやって。

ささだ なるほど。Perl だったらもっと短くかけるんだけどね (笑)

いおき ま、それはね。

ちょっと脇道

ささだ 私、高校のときに Perl をちょっと触ったんですけど。

いおき 高校から? はー、すごいっすね。

ささだ だって、我々のころ10は PC とかもう普通に買えたじゃないですか。

いおき 僕ネットを始めたのが 2000 年とかなんで。

ささだ へー。

いおき 全然コンピュータとか知らなくって。今の会社も、内定もらった後でどんな会社かを知って。

ささだ (笑)。それはネタでしょ。

いおき いや、マジマジ (笑)。なんか SE っていう単語は知ってたんですよ。SE って何をやるのかは分らなかった。僕は物理の人間なんですけど、システムって物理の世界ではまったく違う意味で、系をエンジニアリングするんだと。なんのこっちゃ分からんと (笑)。とりあえず何かやるんやなみたいな。理系がこっちは向いてるよって同僚から教えられて、じゃ SE に行くかって感じになって、今の会社を受けて。

ささだ よく入れましたね、それで。

いおき ラッキーでしたね。SE って結構人間くさい仕事が多いので、というかほとんどそうですけど、それで入れたのかも。いや、ほんまに。で、内定が決まって。同じ研究室の同僚に「そういえば、あの会社って何の会社やっけ?」「コンピュータやで」「まじでー!」(笑)

ささだ (笑)

いおき で、これも実話なんですけど、そのコンピュータの会社ってのを初めて知って。これはヤバイと。Linux とかも、ls と cd がやっと打てるぐらいやったので。それでよく Fortran 書けたなってまだ思うんですけど。全然コンピュータって嫌いやったんで、コンピュータの勉強をせないかんと思って、手に取ったのが、アナログ回路の本だった (笑)

ささだ 意味が分からない (笑)。そのつながりが。

いおき 物理だったんで、コンピュータといえば回路だろうと。

ささだ (笑)。間違えて取ったんじゃなくて、本当にまじめに。

いおき はい。こんなん、全然分からへんわって、泣きそうでした。

ささだ (笑)。トランジスタの話にはまだ行かないのか。アナログ回路だから。

いおき そうですね。まぁ結構色々やってたんですけど。

ささだ ここに行ったらこんなことをやらなければいけないのかと。

いおき いや、ほんとにそう思ってたんですよ。

ささだ まぁ、やってる人もいるでしょうけどね (笑)

いおき まぁ、いてるんでしょうけどね。それはそれで。

ささだ それは修士の学生の頃? 修士二年で修論にはまだ間がある感じ?

いおき そうですね。

ささだ なるほど。

いおき ほんと、入って衝撃を受けました。全然ちゃうやんって (笑)

ささだ 入る前まで、誤解は解けなかったの?

いおき いや、入る前に教材みたいなのが送られてくるんですけど、それ見て、あれれ?違うぞと。

ささだ それはすごいですね (笑)

いおき よく入れたなと思いますよね。ほんと、取ってくれてありがとうですよね。

Ruby の習得

ささだ Ruby の習得は簡単でしたか。

いおき そうですね。

ささだ 本に書いてある通りにすらすらと。

いおき 引っかかったことは無いですよね。

ささだ yield とか普通にできました?

いおき あ、yield は確かにちょっと引っかかりましたよね。滅多にあれをやろうということは無いんですけど。やろうと思ったときは、あれあれ、どうなってるんやろう。スレッドとかが、「あれ?こんな挙動なんだ」みたいな。

ささだ 今はもう大丈夫?

いおき はい。

ささだ Java のスレッドもたぶん同じような感じですよね、たぶん。

いおき (しばし考えて) 何に引っかかったんやっけ?……ああ、そうだ。スレッドを立ち上げると、Main 関数が、スレッドの終わりを待つのかと勝手に思い込んでたんですよ。

ささだ それが、Main 関数が終わると、他のスレッドを待たないで exit されちゃうと。

いおき 「ああ、join しなくちゃ駄目なのね」とか。何かそれも blog に書いて、よく覚えてないんですけど、誰かに教えてもらったような気がします、誰やっけ……なんかささださんやったような……。

ささだ えー私じゃないですよー。

いおき そうかなぁ。(編集注:やっぱりささださんでした)

ささだ Ruby って、スレッドに記述した ensure 部分は、プログラム終了時に全部実行されるようになってるんですよ。

 Thread.new{
   begin
     sleep
   ensure
     # (A)
   end
 }
 exit # <= ここで、(A) の部分が実行される。

いおき へー。

ささだ 知らなくてさ、これ。この間、田中哲さんにこれを指摘されてですね。そんな機能しらねーよ、って。

いおき (笑)

ささだ で、それ聞いて、直したんですよ。

いおき ほうほう。

ささだ とか何か、確かに知らない機能が満載のスレッドですが (笑)。Ruby って学習曲線がすごいと思うんですよ。最初から中盤はゆるくて、最後、詳細なことは誰も知らない、という。

いおき (笑)。キャッチーなところはすぐ分かりますよね。

ささだ each とかね。

いおき うん。友達に教えるときも、puts だけで良いんだ、みたいな。

ささだ 繰り返しとかは要らない?

いおき class も main メソッドも要らなくて、トップレベルに何か書けば動くんだっていう。

ささだ あー、はいはい。いきなりそこに書けば動くみたいな。

いおき そうそう。

ささだ なるほど。

プログラミング全般

初めてのプログラミング

ささだ 初めてコードを書いたのはいつぐらい? Fortran の話をしてましたが、授業で?

いおき Fortran は、数値計算を修論のためにやってたんですよ。

ささだ 研究室に入ってから?

いおき そうですね、Fortran は。一応、言語としては C 言語も学部時代にちょろっと触っていたので。何年だっけ? 2000 年か。

ささだ プログラミングというのがあるんだと。

いおき そうそう。あんときに初めて while とか for とかってのがあるんだってのを知って、へぇーみたいな。

ささだ それは独学? 授業でやったわけではなくて?

いおき いや、授業でたぶん出たと思うんですけど。記憶が……(笑)

ささだ (笑)。じゃ、何だろう。アルゴリズムとかなんとか色々あるじゃないですか。そういうのは?

いおき あー、物理系だったんで、そんなの全然無いんですよ。物理の数値計算に使うためのアルゴリズムとかは勉強するんですけど、それ以外は。ソートとかも知らなかったですからね。

ささだ 今、勉強する機会って無いですよね、そういうのって11。情報系出ないと。ソートって Ruby だったら .sort って書いたら終わりなので。

いおき 確かに。

ささだ クイックソートとヒープソートのどっちがどうだとか、そんなの気にしなくてもいい。

いおき 最近、配列とリストすらも、どっちでも良いやみたいな空気を感じたり。

ささだ Ruby だとどっちでもいいやというか、リストが無いですもんね。

いおき ですね。で、そういうのは全部入社してから知りましたね。

ささだ そういうのって、勉強する機会ってあるんですか? 入社した後に。

いおき まぁ、研修で教えられるって言うのもありましたし。

ささだ あー、なるほどね。研修ってどれぐらいあるんですか?

いおき 僕ん時は……半年ぐらいですかね。

ささだ 結構みっちりやるんですね。

いおき ま、どんどん短くなってますけどね。昔は一年とかだったみたいなんですよ。最近はすぐに現場に出しているっていう感じですね。

Ruby 以外のプログラミング言語

ささだ Ruby 以外のプログラミング言語は。Java?

いおき Java ですね。

ささだ Java 以外はなし?

いおき うーん、最近シェルのツールを作ってるんですよね。

ささだ シェルのツール? sh で作るツール?

いおき そうですね。sh でかかれたツール。

ささだ sh で何か、細かいことをやってると Ruby で良いやとか思わない?

いおき いやだから、そう思うんですけど、AIX の標準に入ってないので (笑)。しょうがないんです。

ささだ それ趣味で仕事のツール作ってるの?

いおき あー、まぁそういう意味だとちょっと違うんですけど。まぁそうですね。仕事上で出た不満を趣味のツールにぶつけてると。こんなツールがあったら僕はあの時苦労をしなくて済んだのに、みたいな。

ささだ で、それを後で仕事で使えたら。

いおき そうですね。できれば良いかなみたいな。

ささだ sh 難しいですよね。

いおき あー、そうですね。意外な挙動をされたりしますね。

ささだ 全然分かんないもん、あの文法が。

いおき あ、そうすか?

ささだ いや、for の使い方すら未だに良く分からなくて。

いおき え、for の使い方は Ruby と似てるじゃないですか。

ささだ Ruby で for はまず使わないので、私は。

いおき あー、まぁ確かに (笑)。each で良いじゃん、みたいな。

ささだ そう。何か適当に書くと、いつもエラーになっちゃうんですよ。文法が違うらしくて。do, done って書いているつもりなんだけど、改行の位置が違うのか、よく分からないんですけど。

いおき 確かにそうですね。

ささだ そういえば、よくやる間違いで、for $i in …. みたいなことやるんですよ。

いおき あー、はいはい。

ささだ それで、$i なんてねーよ、みたいになって。そうすると in が先に来ちゃってエラーっていう。

いおき ありますね。あとは、if の後にすぐに [ を書いちゃう。

ささだ スペースを入れないで。

いおき ええ。これとかも良くやりますね。

ささだ 難しいです。いちいち全部理由があるっていうのは分かるんですけど。だったら Ruby で良いじゃんになっちゃうんですよね。sh で Ruby 処理系を書くってのはどうですか。

いおき sh 実装の Ruby?

ささだ そうそう。

いおき 出来たらすごいですよね。

ささだ shruby (笑)

いおき 出来たらすごいけど、とんでもなく遅いでしょうけどね。

ささだ それとも単に Ruby を呼んでるだけとか (笑)

いおき (笑)

ささだ で、Java も好き、と。

いおき はい。

ささだ 使いやすい?

いおき やっぱり、馴染んでるのもありますしね。

ささだ じゃあ、native 言語というと。Java?

いおき いやー?

ささだ Fortran?

いおき 出会ったのが早い言語っていう意味ではそうですけど、今はやっぱり自分の中では Ruby の方が。

ささだ Ruby 脳ですか。

いおき ああ、と言って良いのかどうか分からないですけど。会社でプロフィール書くことがあるんですけど。世界中のみんなから見れるやつなんですけど、そこにも書いてますね。

ささだ Ruby マスターとか。

いおき まぁ、そうは書けないですけど。「あなたの母国語は何ですか?」という欄に Japanese。隣に Ruby。

ささだ (笑)。他にそういうのを書いてる人はいるんですか。

いおき あー、分かんないですけど。いてんじゃないですかね。

ささだ それぐらい Ruby が native になってると。素晴らしいですね。

いおき 書ける書けないって言うよりは、Ruby だと大好きだからとか思っちゃうんですよね。

ささだ さっき、Dave Thomas の話がありましたけど、Dave Thomas の話に感動した?

いおき やっぱり、かなりいい話でしたよね。すごい良かったですよ。

ささだ 泣いた、とかいう感想が。

いおき 平鍋さんがそう書いてはりましたね。

ささだ 私はよく分からなかったんですけれどもね。

いおき 英語がですか?

ささだ まぁ、英語が分からないって言うのもあるけど、全然感動しなくてさー (笑)

いおき (笑)。えー、何でですか?

ささだ これがねー。Ruby に対する愛が足りないのかもしれないですけど (笑)

いおき ささださんにそう言われると。

ささだ いや、事前にスライドを見てたってのもあるんですけど、私は。まぁ、やっぱプレゼンテーションは上手いなと思ったし、盛り上げ方もすごいと思ったんですけど。まぁそうか、みたいな感じで。ティーンエイジャーか、そうだよね。これから大変だろうなとか。

いおき 大変でしょうね。いろんな人とお付き合いしますからね、これから。

ささだ とかそんな感じの感想で、特に何かすげえなとかは無かったですね。

いおき うーん、そうすか。結構良かったんですけど。何か Ruby には好きだって言わせる何かがありますよね。Java をやってたときも、Fortran をやっていたときもそうなんですけど、プログラミングは好きだ、とは言えるんですよ。でも、Java は好きだとは言えないんですよ。言えないというか、言いたいという気分にはならない。Ruby だけは……。

ささだ それはみんなが言ってるからじゃないの (笑)?

いおき そうかなー (笑)

ささだ でも、周りが使ってないときに、そういう風に布教したぐらいに好きだったってことですよね。

いおき まぁそうですよね。2003 年から使い始めてるんで、僕はかなり後発なんですけど。

ささだ 私もそんなもんですよ。

いおき え、そうなんですか?

ささだ 2002 年とかですよ。私も。まともに使い始めたのは。

いおき それがいまや次世代 Ruby ですか。

ささだ 1.9 だけどね (笑)

いおき 昔からやっぱり情報系には興味があったんですか?

ささだ 私は情報系の学科ですもん。

いおき いやその、昔っからって言うと中学校のころとか。

ささだ そうそう。パソコン欲しかったですもんね、中学校のときからね。

いおき 持ってはったんですか?

ささだ 持ってなくて。中学の生徒会室に Macintosh があって、SimCity が入ってて、延々とやってたという記憶が。で、生徒会室に篭って。夜 8 時ぐらいまで。中学校の夜 8 時ってすごい遅いじゃないですか。

いおき そうですね。

ささだ それで最後に出る職員室の先生と一緒に帰って。遅くまで大変だねとか言われて (笑)

いおき (笑)。さも何かをやってたかのように。

ささだ Dave Thomas の話に戻しますけど、あんなにスタンディングオベーションが起こるとは思わなくて。私は一番前に座ってたんですよ。Dave Thomas の目の前で。

いおき 座ってましたね。

ささだ 隣に角谷さんがいて、角谷さんがこう終わった後にワーって拍手をしだして。みんながワーって立って拍手をしだして。

いおき 僕もあの時、あれですよ。いつ立とういつ立とうって。ほんとにこう、終わった後に、ちょっと恥ずかしかったんで、すぐに立てなかったんですけどやっぱり。

ささだ まわりが立ってくれたから。

いおき もう、ほんとそうですね。

ささだ そしたら私はたつタイミングを失ってさ (笑)

いおき (笑)

ささだ 一番目の前に座ってたのに (笑)。何かこう、そんな拍手するほどだったのかなーって思って。角谷さんが好きそうだなこういう話って思って。みんなが何かすげーすげーって言ってて。ああそうかみたいな。……こういうことを俺が言っちゃいけないんだな、きっと。

いおき 僕はやっぱり新参者っていうか……。

ささだ いや、昔からやってた人も感動して、いい話だったって言ってるし。

いおき そうなんですか。

ささだ だからなんだろう、常日頃思ってることを言われても、みたいな感じなのかもしれないかな。善意に解釈すれば。

いおき おー、なるほど。ちょっとかっこいいですね。

ささだ そのまんまだなっていう感じ? いや、知りませんけど。

いおき でも、僕は基調講演として、いい講演だなって思った。

ささだ あれだけこう、反響があったのは素晴らしい、良かったと思いますね。こんな変なことを言っている人は他にいないので (笑)。みんな良かった良かったって。泣きましたとか感動しましたとか。呼んでよかったです。

いおき 何か、そういう他のツールとかは良く分からないんですけど、愛が語れるツールっていうのは、知らない人からすれば宗教じみてるようには見えるでしょうね……。

ささだ 宗教じみてる部分もあるように思う。

いおき それはありますよね。それはちょっとまずいなと思うんですよ。他から見たら、キモいって言われたらそれまでだし。人に No Ruby, No Life. のかばん、良いやろって見せたら「うわー」(笑)

ささだ (笑)

いおき ……って、言われるんであれなんですけど、でもやっぱり好きだーって。 ioki2.jpg

興味を持ってるテーマ

ささだ 今興味を持ってるテーマ。プログラミング全般。

いおき プログラミング系の興味ですよね。うーん、やっぱりテスト系ですかね。

ささだ もっと便利になるはず?

いおき そうですね。

ささだ 今、どの辺が足りないですか。私、あんまりテスト書かないから。書かないっていうとあれですけど、Ruby だと Test::Unit にどんどん書いていけばいいやみたいな感じなんですけど。あれだとまだ書きづらい部分がある?

いおき まぁ、そういう部分もありますし、システム開発だとプログラムごとのテストではなく、結合した後のシステム間のテストとか、あるユーザーインターフェースに向けたテストとか。ほんとはもっと簡単になるんでしょうし、もっとテストを前段で、上流工程で取り込めるような。みなさんもよく言われてるし、色々試行錯誤もあるんじゃないかと思いますけど、そういうのに興味ありますね。

ささだ 前段でやるっていうのはどんな感じの?

いおき 前段っていうか、上流工程ですね。

ささだ 設計にテストが入って、みたいな? テストで設計がはねられる? 変な設計があったら、そんな設計では駄目だよというような。

いおき うーん。

ささだ アカデミックだと、仕様記述で書いていけばとか。

いおき 形式仕様ですか。

ささだ そうそう。

いおき あれって仕様だとは思わないですけどね (笑)。プログラムですよね (笑)。まあいいや。

ささだ そういう話ではなく。

いおき じゃなくて、例えば一個の例としては、まずはテスト形式で設計を書いていくっていうと、形式仕様みたいに聞こえますけど。何て言えばいいのかな。(しばし考える) 例えば、ドキュメントとかって、一杯書くんですけど、それって本当に必要なのかなっていうドキュメントとか多いんですよ。そういうのって、例えば単体テスト仕様書とかあるんですけど、単体テストをこうやりますっていうドキュメントなんですけど、そんなのテストコードでええやん、みたいな。

ささだ 単体テストプログラムをどう実行すれば良いかの説明書じゃなくて、人手で単体テストをするにはどうすればいいかっていう。

いおき まだ人手だったら分かるんですよ、そのドキュメントの意味は。そうじゃなくて、そういうテストコードを組むための単体テスト仕様書とか。そんなの意味ないやん。

ささだ はー。なるほどねぇ。

いおき それは上流工程からじゃないですけど、あとはやっぱり設計段階からテストを意識した設計にするとか。

ささだ それはこういう仕組みがあるとテストが書きやすいなっていうのを想定しながら。

いおき はい。例えば Java だと DI だとか言われてるじゃないですか。あれとかも結局単体テストがしやすいような設計にっていう流れで DI って言われてるんで。やっぱりここからは単体テストを重視するからレイヤーを切って、こっからはサーバー非依存にしましょうとか。ここはどうしてもサーバー依存にしなくちゃいけないのでとか。

ささだ なるほど。そうそう、この間 DI の話を別のところで雑談してたんですけど12。Ruby に DI みないなのっていうのは、あまり話しないですよね。

いおき あんまないですね。

ささだ 要らないじゃんっていう。結局そうだね、要らないんじゃない、みたいな。Java では XML で DI でどうこうした。一方 Ruby は send を使った。っていうそういう世界でねっていう話があって。そういう感じでいいんですかね。

いおき うーん。

ささだ 粒度みたいなものを、それぞれを疎にしてっていう話ですよね。で、そこのくっつき方をどうするかっていう。で、Ruby ってがんばれば何でもくっつけちゃうので、だから要らないのかなっていう。

いおき それはひとつあると思いますし、もうひとつはちょっと違うのかも分からないんですけど、やっぱりエンタープライズにまだ入ってきてないじゃないですか。すごい大きな複雑なシステムを Ruby で組むっていう経験ってまだ無いじゃないですか。そういうのでやっぱり DI ってまだ無いのかな。

ささだ そういう分野が進んでいくと、あるかもしれない、と。

いおき そうじゃないかなと思うんですよね。サーバー依存の Ruby コードはこうで、サーバー非依存ではこうでという。例えば今だったら、Rails とかも Ruby オンリーで動くじゃないですか。WEBrick 使わなくても、サーバー使わなくても動く。ちょっと極論ですけど、まぁ ERB とかあれですけど。そうじゃなくて、どんどん信頼性をとかになると、きっとサーバー依存の Ruby って増えてくると思うんですよ。そうなったときに、サーバー依存の Ruby と、サーバー非依存の Ruby をどうつなげるかとかっていうのがあるんじゃないかなと。そういう製品がでてくるかも分からないですけど。かなり適当なこと言ってますね (笑)

ささだ で、何でこんな話を振ったかっていうと、テストがしやすいっていうのは、いかに疎にするかとか、インターフェースをこんなふうに工夫するかっていう話があると思うんですけど、例えば Ruby にその話を持っていこうとしたときに、例えば言語の力だけでその辺はあんまり考えなくても何とかなっちゃうのか、それともやっぱり何か考えなきゃいけなくてという。もちろん考えなくちゃいけないと思うんだけど、それはどれくらい必要性があるかというか、どれくらい影響するのかなという。

いおき うーん。

ささだ グローバル変数をぐちゃぐちゃ使って、こっちのインスタンス変数を変なところで参照したりとか、そういうのはもちろん全然やりづらいと思うんだけど。そう考えると、いわゆる Ruby のプログラムに対してそういうテストのやりやすさより、つらさみたいなものをなんとかするとか、なんとか。

いおき Ruby の場合は全然テストしやすいですよね。だからやっぱり言語の力……さっきエンタープライズって話をしましたけど、その一方でやっぱり言語の力はすごく大きいと思っていて、無くてもいいじゃん、みたいな。AOP も要らんじゃんみたいな。書き換えちゃえよみたいな。

ささだ で、興味を持っているテーマはテスト一般ってことで。

いおき テスト一般。うん。

ささだ そのためのツールって訳じゃなくて、本当に全体でテストのやり方みたいなのを考えてると。

いおき やっぱり、システム開発をやってるとテストのフェーズってすごい長いので、色々考えるところが。体制もそうですし。例えば自動化自動化って言われますけど、全部自動化しちゃうと落ちちゃう部分って出てくるんですよ。っていうのは例えば手触り感が。触ってると初めて気づくことってやっぱり多いので、そういうのもどこでどう線引きをするのかとか、全然分からないじゃないですか。ものによると思いますし。

ささだ 何割ぐらいやらなきゃならないんですか。何割ぐらい自動化できるとか。

いおき 何割とか分かればいいんですけど。それに現場だと、中々自動テストをやろうっていう発想もないし。

ささだ 出来るものもやらない?

いおき やらないですね。やっぱり単発でやる方が早い。一回だけだったらそっちの方が早いじゃないですか。ちゃらちゃらって動かしてしまえば。っていうんで、やっぱりみんなそっちに行くんですけど。後でまたやり直しだって (笑)。よくある話で。

生い立ち

ささだ 生活。生い立ちの話ということで。大阪でずっと育ってたと。普通に小中学校と。

いおき そうですね。

ささだ 部活動とかは。

いおき これは悲しいかな、引きこもりだったので (笑)

ささだ 我々の頃は引きこもりという言葉が無かった?

いおき あったっすね。ちょっと違う意味だと鍵っ子とかありましたけどね。

ささだ ちょっと違うような。何だろう、アウトドアでは無かったと。

いおき そうですね。かなりインドア。

ささだ 部活でスポーツをやっていたわけではなく。

いおき 小っちゃいころから格闘技だけはずっとやってたんですよ。

ささだ ほう。

いおき もう、格闘技をやれば、モテるに違いないと。

ささだ それ、何年生ぐらいに思ったんですか。開眼したのは。

いおき 小学校……ジャッキー・チェンの映画を観てからですかね。

ささだ 小学校何年生ぐらい?

いおき 四年かな。

ささだ 四年とかだったらモテたいとかは分かるか。小学校一年ぐらいでモテたいから格闘技とかはすげーとか思ったんだけど。

いおき (笑)

ささだ ずっとやってたんですか。

いおき そうですね。空手、中国拳法……。

ささだ え、何個もやるんだ。

いおき あのー、入った空手道場、近所のやつがつぶれてしまったんで。

ささだ (笑)

いおき しょうがなく別の。

ささだ それはいつ頃まで?

いおき なんだかんだ言って、途中で道場がつぶれたり、先生が引っ越してしまったりで、色々穴はあるんですけど、高校ぐらいまでですかね。

ささだ かなり続いてますよね。

いおき 結局色々変わってるんで、帯で言うと茶までしか進んでませんとか。一個一個は中途半端なんですけど、やってる期間としてはそこそこ長いですね。凄い長いって訳じゃないすけど。

ささだ モテましたか?

いおき これは……難しいなぁ (笑)。格闘技やってれば強いから、きっと強いと思ってくれるに違いないと。安心できるからモテると思い込んでたら、野蛮とか言われたり。

ささだ (笑)。スマートじゃないということ?

いおき そうなんですよね。すごいショックですよ。

ささだ それに気づいたのはいつぐらい?

いおき 気づいたのは中学校ぐらいですね。

ささだ でもまぁ、続けたと。最初のモチベーションは無くなったが。

いおき それがその後で高校に入って、やっぱモテるんならバンドかなと思って (笑)、格闘技やめてバンドに移行して。ギター弾いてたらモテるんやろなと。

ささだ そういうイメージがありますよね。

いおき で、やって気づいたんですよ。あー、バンドやってるやつがモテるんじゃなくて、モテるやつがバンドやってたんだなと。そういうことね、と。

ささだ (笑)

いおき 全然モテなかったですよ。色々やったんですよ、モテるために。

ささだ モテるためにというのが、第一のモチベーションだったんだ。

いおき ねー (笑)

ささだ それは分かりやすくて良いですよね。

いおき あと、黒魔術とか。

ささだ なんやねんそれ (笑)

いおき ほら、女の子って、占いとか好きじゃないですか。

ささだ はいはい。でも黒魔術まで行っちゃうと、また逆に引かれるんじゃない? キモいとか言って。

いおき そう! (笑)

ささだ (笑)。コックリさんとかだったらキャーキャー言ってやりそうだけど。

いおき あんとき、そういうのも流行ってたんで、これは来るにちげーあるめーと。………でも勉強したら全然受けなくて。

ささだ アレイスター・クローリーがどうだとか。

いおき おぁー、知ってますね! 暁団。黄金の暁。

ささだ そこではこういう、魔法陣がどうだとか。という知識を披露したら。

いおき あー、さすがですね、ささださん。

ささだ いやいや (笑)

いおき アレイスター・クローリーが出てくるとは思わんかったなー。

ささだ 有名じゃないですか。で、そういうのを高校で勉強したの?

いおき それやってたのは、大学のときですね。高校でバンドやってて、悟って。じゃこれから魔術だろ。

ささだ (笑)

いおき で、大学で魔術の勉強して。

ささだ それで、他の人にしゃべったの? 飲み会とかの席で披露するわけではなく?

いおき 披露するときは占いとかなんですけど。

ささだ 占いは普通に良いじゃないですか。

いおき 占い自体はキャッチーなんですけど、何て言うんですかね、良い様に使われるだけ?

ささだ (笑)。「いおき君、誰々君との仲を見て」という感じになるってこと?

いおき 僕が見るのは姓名判断。名前の占いなんですけど。

ささだ 黒魔術と全然違うじゃないですか。

いおき 違うんですけど、その系統で、カバラ系で勉強してたんで。

ささだ なるほど、はいはい。(笑)

いおき あれ、どうしたんですか?

ささだ いや、姓名判断って画数とかって言うのかと思ったら、カバラなんて出てくるから (笑)

いおき ああ、西洋、西洋。

ささだ そうですね。

いおき で、飲み会で一時期人気者のように、私も見て、私も見てって来るんですけど。何でしょうね、あの見終わった後の手のひらを返したような態度。

ささだ (笑)

いおき お前、散々さっきまで俺に色々言ってきたやんって言うのに、向こうでカッコいいやつを見つけて何かしてるんですよ。

ささだ その飲み会とかは、大学では何かのサークルに入ってたんですか?

いおき それは普通に合コンとかで。

ささだ なるほど、そうなんだ。私は合コンとかやったこと無いので。

いおき あ、そうなんですか。

ささだ クラスとかでやったりとかですかね?

いおき まぁ、クラス、友達、バイト先とかですかね。あと占いって話だと、かなり前の話ですけど、彼女が正月におみくじ引いて……ん?どうしました?

ささだ モテたんじゃないですか。

いおき いやいや、全然。

ささだ 全然というのは、いない人のことを言うんです。

いおき あ、そうすか (笑)

ささだ そうです (笑)

いおき まぁ、彼女いたりはしたんですけど。お正月におみくじ引いたら、半凶引いたんですよ。

ささだ ほう。半凶?

いおき 半凶があるってのも、すごいなって思ったんですけど。

ささだ 初めて聞きました。

いおき 八坂神社にあるんですよ。

ささだ ほー。

いおき で、その半凶自体も面白かったんですけど、やっぱりお正月からそんなもん引くなと。で、これはよろしくないと思って、お祓いしたほうが良いかなと思って。神社やったんで、祓の詞をあげたんですよ。そしたら「怖い……怖い」って (笑)

ささだ ちょっと待って。黒魔術やってる人が、何で祓の詞なの? (笑)

いおき まぁ、神社なんで。

ささだ それも勉強してたんだ。

いおき はい。

ささだ 私、どうやるかは知らないけど。

いおき 「かーけーまーくーも」みたいな。

ささだ 怖い怖い (笑)! 言ってもらったんじゃなくて、自分でやったってことでしょ?

いおき 何か、お祓いせないかんなと思って。

ささだ 自分で喋って、それは効くの? よく知らないんですけど。お祓いになるんですか?

いおき まぁ、いい言葉なので。言葉には力があるので。

ささだ なるほど (笑)。いや、すごいすごい。そっちに就職したほうが (笑)

いおき (笑)

ささだ でも、大学は物理なんですよね。

いおき はい。

ささだ 物理に入ったのは……物理は別にモテではないよね、たぶん。

いおき いや。

ささだ あまりモテそうなイメージはないよね。

いおき あー、それもだから、何かちょっと常識が分からない……子供だったんですけど。アインシュタインとか、僕らが中学高校の頃にちょっと流行ってたじゃないですか。今も流行ってるって言うのかな? 分からないですけど。NHK とかで特集されたりとかで。なので、物理とかの学者ってモテるのかなって思ってたんですよ。

ささだ (笑)。それは高校とか中学とかのイメージで?

いおき そうですね。

ささだ そのときから、いわゆる理系な興味ってのはあったんですか? 考え方が理系というか、数学が得意だったとか。

いおき そうですね。やっぱり小っちゃいころから……小学校の頃からそういうのは好きでしたね。理系科目っていうんですかね、算数とか数学とか。

ささだ なるほど。じゃ、なんとなくそういう方向で考えていたら物理が良さそうだと。

いおき いや、物理を目指したのもはっきり覚えていて。ドラえもんの本を読んでたんですよ。

ささだ 来た来た。

いおき (笑)。何の本やったか忘れたんですけど、そのひとコマだけ覚えていて。のび太がドラえもんに、何で物体は光速度を超えられないかって訊いてる場面があったんですよ。

ささだ 難しいことを訊きますね。のび太は。

いおき ま、そうですね。で、のび太は結局分かんないやって話だったんですけど。それを読んだときに僕も、「超えれるんちゃうの?」みたいな。何で超えられへんの、みたいなところから相対性理論の簡単な本を読んで、面白いと。ここからですね。

ささだ それは何歳ぐらい?

いおき それは中学校……。

ささだ 良い出会いですね。

いおき ですかね。

ささだ 中学校のいつぐらい?

いおき いつだったか忘れちゃいましたけど、確か夏休みぐらいだったと思いますけど。

ささだ ちなみに、格闘技以外は何かやってたんですか? インドアで。

いおき インドアで?

ささだ 我々の世代だと、ファミコンとかゲームやったりとか。

いおき あー。ファミコンはあんまやんなかったんですよ。あんまりゲームとか、ずっと続けられないタイプなんで。いつやってたのか忘れたけど、ケルナグール13ぐらいで。

ささだ (笑)

いおき 知ってますか。すごいな。ナムコの。僕はあれ未だに名作やなと思ってるんですけど。

ささだ ファミコンですよね。

いおき ファミコンですね。

ささだ 読書とかは?

いおき 読書は、そうですね、ずっと漫画読んでましたね。

ささだ 漫画が家にたくさんあった?

いおき うーん、たくさんって訳ではないですけど。東京に行く前に何冊あるのかなって数えたら、二千冊ぐらい。

ささだ (笑)。たくさんだ。いやー、小中高と買えなかったんですよ、私。漫画を買いたくて、買えなくて、ずっと立ち読みしてたんですよ。嫌な客ですよね (笑)

いおき いや、僕もそうでしたよ。土日とかずーっと古本屋で読んでましたもん。

ささだ 私はコンビニで週刊誌を (笑)。またこいつ来たなとか思われてるんじゃないかと思ってたけど (笑)。ま、そういう小中高で、大学で見事物理で。物理をずっとやってた、と。

いおき いやー、これがなんか分かんないんですけど。大学一回のときに、物理に対する興味が一気に無くなって (笑)

ささだ (笑)。それは何かきっかけがあった?

いおき 大学の物理学科の女の子の少なさ。えー、みたいな。そうなの、みたいな。

ささだ ちなみに、そこは総合大学っていうか、文系の学科もあるところ?

いおき そうですね。

ささだ じゃ、サークルとか入ったら普通にいるんじゃないですか?

いおき それが悲しいかな、人見知りするタイプなんで。初対面の人と、当時は上手く喋れなかったんですよ。

ささだ ほー。今は全然そういうことは無いですよね。

いおき そうですね。仮面だけは上手く被れるようになったんで (笑) で、初めて受けた授業で、教授の言ってる言葉が難しくて分からない、んだったら良かったんですけど、本当に分からないんですよ。まず、主語と動詞が無い。

ささだ (笑)。主語と動詞が無い? 目的語だけ?

いおき そうそう。「……が、……は。」

ささだ それ、日本語になってないじゃないですか。

いおき ほんとにそうなんですよ!

ささだ それ、聞こえないってことじゃなくて?

いおき たぶん、善意の解釈をすればそうなんですけど、やっぱりすごい衝撃で。えー、大学ってこんなんなんやみたいな。大学受験するときも下見に行けばよかったんですけど、行かなかったんですよ。で、名前がいい大学なんですよ。神戸大なんですけど。神戸大だと、何か神戸のおしゃれなイメージがあるじゃないですか。で、ここはきっとすげえに違いあるめい、みたいな。思い込んで行ったら、めちゃくちゃ弩田舎で。

ささだ 神戸って言うと、おしゃれな港町っていうイメージがありますが、そういうところからは離れてた?

いおき 離れてて、山の中なんですよ。だから最初に受験で駅に初めて降り立ったときについ、「あっ、間違えた」。

ささだ (笑)

いおき ほんまに言ってもうたぐらいに、田舎やったんですよ。だけどみんなゾロゾロ歩くし、こっちなんやろうなー、みたいな。

ささだ でまぁ、見事入って。興味が無くなって。で、黒魔術?

いおき 黒魔術と、あとはバイトですよね、やっぱり。

ささだ バイトとかって、どの辺をやってったの?

いおき バイトはぬいぐるみショーをやってましたね。

ささだ へー。デパートとかで?

いおき いや、もう潰れちゃったんですけど、宝塚ファミリーランドっていう遊園地があったんですよ。宝塚っていうと歌劇の方が有名じゃないですか。あの歌劇の劇場の隣に遊園地があって。そこでショーのスタッフとして。

ささだ 遊園地のスタッフってモテそうじゃないですか。

いおき そうそう! そう思ったんですけど、これが……。すごい小っちゃーい子にはモテるんですけど。

ささだ (笑)

いおき すごーい小っちゃい子と、おばちゃんからはモテるんですよ。「いおきくんカッコええわー、私らの世代だったら良かったのにねぇ」。全然嬉しくないですよ。

ささだ (笑)

いおき まぁ、でも面白かったですけどね、そこのバイトは。四年続けましたし。

ささだ 大学生活イコールそのバイト、みたいな。

いおき そうそう。

ささだ それは平日とかもやったんですか?

いおき 遊園地なので基本は土日メインなんですけど、たまに必要なときは平日に出ましたよ。

ささだ 土日はずっと、ショーというからには時間決めて「やるよーっ」て人を集めて? 遊園地でショーというと、戦隊ものとかはイメージがあるんですけど。

いおき あの、戦隊ものとかは東映さんとが――実質やってるのは東映さんじゃないかな――やってきて、僕らの舞台上でショーをやるってのもありましたし、僕らは僕らでキャラクターを持ってたので、そのキャラクターを使って、戦隊ものみたいな系ではないですけど、ショーをやった。

ささだ 歌があったりとか?

いおき 歌もあったように思いますね。

ささだ 歌って踊ったりとか?

いおき 一応。あーでも歌はなかったかなぁ。

ささだ その頃の衝撃の映像がここに! とか言えると凄いんですが、そんな取材力はもちろんないですが。

いおき 写真とかであれば、一時期は CM とかも打ってたんで、僕らのチームのはあるんじゃないですかね。でも、僕のは。まぁ、そうですね。一応ショーのお兄さんとかもやってましたけど、基本的にはライト屋さんだったので。照明を。面白かったですね。

ささだ そういう充実した (笑) 大学生活が。それで研究室入って、研究はちゃんとやったと。

いおき うーん、四年のときはあまりちゃんとやらなかったですけど。

ささだ 修士に行くって言うのは、続けたくなかったら行かないじゃないですか。

いおき それがあれなんですよね……。何かアホみたいな理由で申し訳ないんですけど、僕らは四回で研究室に配属が決まるんですけど、四回になってみんな研究室に集まるじゃないですか。そのときに初めて先生から「おいお前ら、院に行くやつは、誰だ?」みたいな事を聞かれたんですよ。で、そのとき正直言って院ってなんやろって思ってたんですよ。

ささだ (笑)

いおき でも、みんな手挙げるから、あ、じゃあ、みたいな。

ささだ (笑)。研究室入ってたら、大学院は知ってるでしょ!

いおき いや、だから研究室に入って大学院を知って。あ、そういえばそんなの聞いたことがあるなと。

ささだ 行くやつは誰だって聞かれたのは、研究室に入った後でしょ?

いおき 入った後っていうか、初日ですよ。

ささだ 初日に? 知る前に?

いおき はい。院ってなんやろと、ほんとに思って。ほんとにみんな手を挙げるんで、じゃあって。だって、そこで挙げてないと、一人自己主張してる訳じゃないですか。(小声で) じゃ、俺も挙げとくか、みたいな。

ささだ でも別に、後で断っても良いわけでしょ?

いおき まぁー、そうなんですけどね。

ささだ みんな行くし。

いおき そそそ。何か流されやすいんです (笑)

ささだ まぁ、分かりますけどね。

いおき 院は、大学とは違うところに行ったんですよ。

ささだ すごいモチベーション高いじゃないですか。

いおき そう思うでしょ。でもそうじゃなくて、そこの先生が「お前はここに行くがいい」。言われたままに、はい分かりましたって (笑)

ささだ 違うところって、違う研究室?

いおき いや、違う大学です。神戸から大阪。それも、今から思うとほんとにすごいことをやっちまったぁって思うんですけど、大学のパンフレットがあるじゃないですか。どこどこの研究室は何をやってます、みたいな。で、阪大では、院の志望を四つ書けるんですよ。ぶっちゃけ僕、阪大はどんな研究をやってるか全然知らないし、特に行く気もそんなに無かったんで。

ささだ それでも行けっていわれたんですか?

いおき お前は出て行ったほうがいいって言われたんで。

ささだ 追い出された?

いおき そうそう (笑)。で、阪大に行けって言われたんで。阪大のパンフレットを取り寄せて。研究室の志望を四つ書けるんですけど、特に何も無いんで、パンフに並んでる順に書いたんですよ。

ささだ (笑)

いおき そしたら、面接のときにすごい怒られて。「これ、何だ!」って。

ささだ 全然違う研究室が並んでるからってこと?

いおき そうそう。

ささだ 何を考えてこんな研究室の志望をするんだと。

いおき そう怒られて、すみません、ちょっと間違えましたって (笑)

ささだ で、何て答えたの? 本当はここなんですけどって?

いおき その面接の前に、神戸大の先生にちろっと言うと、その先生にすごい怒られて。

ささだ あ、面接に行く前に怒られたんだ。それは良かったですね。

いおき それで、お前はここの研究室に行くんだ! って言われて。それが第四志望に書いたところで (笑)

ささだ 先生は最初からその研究室に行くために阪大を薦めたと。それを聞いてなかったんだ。

いおき そうそう、それを聞いてなかった (笑) 聞いたのかも分からないんですけど。覚えてなかった。

ささだ で、まぁ無事に行けたと。

いおき そうですね。

ささだ で、大阪に戻ってきて。神戸のときは一人暮らし?

いおき いや、一人暮らしはしてましたけど、親父の持ち物のアパートに住んでただけなんで。

ささだ ちょうど神戸にあった?

いおき 神戸ではないです。神戸からはちょっと遠いんですけど、大阪にあるアパートに住んでいて。なのでずっと大阪ですね。

ささだ じゃ、阪大になって近くなった?

いおき あー、あんまり変わんなかったですね。

ささだ あの辺の地理は私は分からないんであれですけど、神戸とかって、何時間ぐらい掛かるんですか?

いおき 一時間半ぐらいですかね。

ささだ じゃ、結構掛かりますね。……あ、だから宝塚か。神戸から一時間ぐらい宝塚のほうに行くのかなと思ったんだけど、そうではない?

いおき そう思うでしょ? そうじゃないんですよ。大阪、神戸、宝塚ってこういう関係なんですけど、行けるのは、こういう線しか無いんですよ。だから、神戸から宝塚に行くにはこういう線しか無いんです。こう行けなくて。14

ささだ まぁ、自宅が大阪にあったから行けたという感じですか。

いおき そうですね。

ささだ で、阪大で物理の研究をして。それはちゃんと研究やってたんですか?

いおき まぁ、やっぱそれがあれなんですよね (笑)。こういうことを言うと怒られるんですけど、教授とあんまり上手くコミュニケーションできなくて、鬱になりまして。もう物理は嫌だ、みたいな。なんで、あんまり勉強はしなかったです。

ささだ え、でも出たんでしょ?

いおき 一応。でもたぶん、あれは出たって言うか、これ以上僕を居させたくなかったんじゃないかと (笑)。まぁでもやっぱり物理は好きでしたし、研究にふけってる時は凄い面白かったですね。とか言いつつ、やめちゃいましたけど。

ささだ めでたく就職も決まったしと。それが 2002 年?

いおき 2003 年 3 月に卒業ですね。

ささだ ネットが 2000 年とか行ってたから、B4 の頃か。

いおき そうですね。ちょうど研究で、まず Linux を入れろとかって言われたんですよ。

ささだ 何だそれは、と。

いおき ほんとに「何だそれは」で。コンピュータって、なんかマシンを買ってきたら動くんちゃうの? みたいな。

ささだ まぁ、そうですよね。

ささだ 今の会社を選んでみた理由ってのは。先輩とか?

いおき 同じ研究室の同僚に、ここに行ったほうがいいよって言われて

ささだ 行ったほうが良いよ? (笑)

いおき YOU、ここ受けちゃいなよって言われて。あそうか、みたいな。

ささだ 就職活動中に。他にも色々やってた?

いおき そうですね。基本的にはマスコミ系だったんですけど。

ささだ (笑)

いおき それも単にモテるんやろ、みたいな (笑)

ささだ (笑) こんな男くさいところに来ちゃって。

いおき いやいや (笑) 今はこっちで良かったなと。

ささだ マスコミ系から IT 系ってすごいですね。それでまぁ、入って、Java なり XP なりをやって、今に至ると。今の方向性が見え始めたのは入ってからなんですね。

いおき ほんと、入ってからですね。

ささだ でも、入ってからはすごい急成長といいますか。こんなところでインタビューを受けているわけですが。

いおき (笑) 急成長とかいうと、また怒られるんで、ほんとにそんなのは勘弁して欲しいんですけど (笑) ほんとに駄目なんですよ。これ以上怒られると、泣いちゃうというか。まぁ、それはいいんですけど。

ささだ (笑)

いおき 入った当初は、まず DB とか意味が分からないんですよ。データベースとか、データ貯蓄するんや。なんのこっちゃ、みたいな。いや、ほんとに。それとか、2000 年からネットを触り始めたんですけど、その頃ってもうネットネットって、普通に使われ始めてたときじゃないですか。なんで、僕からすると水道みたいな感覚だったんです。

ささだ 分かる分かる。

いおき だから、どういう風にネットワークが組まれているかとか、全然ぴんと来ない。なんのこっちゃ、WAN とか LAN とか。え、何それ? インターネットと何が違うねん、みたいな。

ささだ 分かる分かる (笑)。すごい分かります。それこそ AIX とかよく分からない設定とかたくさんありますよね。歴史的経緯による設定。なんか変な単語を使ったりとか。私は Windows ばっかりやってたので、それが全然分からなくって。何この設定、みたいな。昔は大事だった設定が、今では全然意味がなかったりとか。

いおき なんか最初は全然分からなかったですね。すごい苦しみましたね。

ささだ よく続きましたね。

いおき Java 研修とかもあったんですけど、最下位とかだったんですよ。ほんとに、えー全然分かんない、みたいな。

ささだ よく Java 好きって言いますね、それで。

いおき まぁね、だから機械猫とかで怒られるんですよね (笑)

ささだ 叩かれるのは関係ないと思うけど (笑) すごいと思いますよ、それでちゃんと、きちんとここまで。

いおき まぁ、それでも半分は XP と Ruby に出会ったからですよね。XP に出会って、あ、開発ってこんなに面白いんだって。出会ってまだ実践とか何も無くて、本を読んだら楽しそうだなって。TDD とか、当時はテストファーストって呼ばれてましたよね。あれとか一人で始められるじゃないですか。ためしに始めてみると、すごい面白い。で、確かにやり方としてもすごい納得できるし。こんな面白いんだと思って。

ささだ ふむふむ

いおき で、そこで Ruby に出会って。最初は Ruby を便利な言語だなぐらいにしか思わなかったんですけど、気が付けばすごい大好きになってて。すごい楽しい。

ささだ 日経ソフトウェアの連載はどういう経緯だったんですか?

いおき あれは日経ソフトウェアさんの編集の方と勉強会で知り合いだったので、編集の方に書きたいんですってことを、ずっと言い続けてたんですよ。そしたらある日突然、Ruby 連載が決まりました、みたいな。

ささだ なるほど。結構続きましたよね。

いおき そうですね。10 回ぐらいですかね。

ささだ 毎月二ページ?

いおき はい。

ささだ 思いのたけを。

いおき そうそう。

ささだ Ruby の歌を聴け。

いおき (笑)

ささだ なんか、わざと叩かれやすいタイトルを選んでるんじゃないかという気もするけど (笑)

いおき えー? そうすか?

ささだ だって、あんまりじゃないですか。

いおき あー。

ささだ だって、正直私はあれを読んで、ついて行けませんでしたからね (笑)

いおき あ、そうなんや。……すみません。

ささだ いやいやいやいや (笑) 何だろう、JoJo ネタとか。何かちょっと苦手だったな。あのテンションは。恥ずかしくなってくる。読んでいて、うわー、みたいな (笑)

いおき (笑)

ささだ 背筋がかゆくなってくる感じ。

いおき 僕は面白いかなーって思って書いてたんですけど。彼女に言わせると、ムカつくって (笑)

ささだ いや、分かるわそれ (笑)

いおき えー!

ささだ 何だろう、中学校か高校だったら、こういう文章を書いても別に良いけど (笑)

いおき (笑)

ささだ いやいや、そういう文章を書ける人材というのは必要だと思いますよ。

いおき (笑)

ささだ すごいフォローだ (笑)

いおき 別の人に見せても、何か駄目って言われましたね。最初、周りからはすごい不評だったんですよ。

ささだ 周りって、職場の人とか。

いおき まぁ、僕の知り合い連中ですね。で、編集の人も、最初に読んだときに返ってきたメールが「まぁ、いいんじゃ、ないでしょうか」みたいな (笑)

ささだ (笑) だって、他の連載に Smalltalk の青木さんとかのすごい格式高いのがあったりとか。

いおき 全然違う (笑)。ね、結城さんの記事もあるのに。何をしとんのやと。「我が国のぉー、Ruby はぁー世界一ぃぃぃ」みたいな。

ささだ (笑)

いおき でも、こんなのもあるんですよ。まつもとさんと結城さんの対談で。読みました?

ささだ 読んでない。

いおき まつもとさんが、結城さんに向かって、JoJo ネタ言ってましたよ。15

ささだ (笑)。まつもとさん JoJo 好きみたい。

いおき あ、そうなんや。

ささだ 映画を観に行ったとか言ってた。

いおき おおー。

ささだ 映画を観に行ったってのは違う人だったかな?16 最近アニメの映画が出たらしい。開発合宿を二月にやったんですよ。で、みんなで昼飯食いに行った時、ずーっとみんなでそのネタで盛り上がってた。

いおき (笑)

ささだ 青木さんとか、コミッタの中田さんとか、中村さんとか、みんな好きらしいんですよ。俺だけついて行けなくて。

いおき 皆好きなんやぁ。記事のネタに使って良かったぁ。

ささだ 第一部のこの辺の話が入らなかったのが許せないとかそういう話を言ってて。

いおき 楽しそうやなー (笑) 楽しそうやなーそれ。

ささだ 第一部をすごい圧縮して二時間にしていて、前半の回想部分にすごいウェイトを置いてて、最後の方が駆け足だったとか。それがすごい良くないよね、あれがどうのこうのとか言ってて。私は分からなかったんだけど。

いおき 雑誌みて、まつもとさんがいうてるのは、ビックリしましたね。「そこに痺れる!憧れるうぅ!」

普段のお仕事

ささだ 普段仕事って何してるんですか。

いおき お客様へサービスをお届けする。

ささだ お客さんのところへも行ったりする?

いおき まぁ、基本的にはずっとお客さんのところですね。

ささだ あ、そうなんですか。持ち帰ってずっとやってて、というわけではなくて。

いおき お客さんのところに場所が無かったら、持ち帰ってになるんですけど、基本はやっぱり、お客さんの近くに居れるんやったら、その方が良いので。

ささだ なるほど。で、色々と要件聞いて、実装して、これで良いですかみたいな感じで。

いおき はい。

ささだ 何人ぐらいでやるんですか?

いおき それは規模によりますよ。

ささだ 一人のときもある?

いおき 僕は一人のときはさすがにないですけど、小ちゃかったら、チームとして二、三人とか。でかいと千とか。

ささだ さすがですね。

いおき 大きいと、一社だけじゃないですよ。いろんな会社が入ってるんで。まぁ小さくても一社ってことはあんまり無いですけど。

ささだ 千人も集まるんですか?

いおき いろんな会社から、何百人も。

ささだ フロアに集まるんですか? 遠隔でやるんですか?

いおき 遠隔だったりしますよね。あるいはビルの何階も借りて、とか。

ささだ そういうのもあるんですね。私は全然知らない世界ですね。面白い。お仕事はそんな感じ。

いおき そうですね。……薄いな (笑)

ささだ 何かもっと言いたい?

いおき いや別に、何も言いたいことは無いです (笑) あんまり言うとアレなんで。

ささだ 残業とかは恒常的にと。

いおき まぁ、そうですね。良くないんですけどね。

ささだ 今日のインタビューは 20 時から開始だったんですけど、結構無理してきていただいた感じですか?

いおき いや、大丈夫ですよ。調整は大丈夫なんで。

ささだ 明日 23 時までやればいいやっていう。

いおき そうそう。

ささだ (笑) すみません。

仕事とプライベート

ささだ 仕事とプライベートの両立。

いおき 両立……どういうことですかね。

ささだ 仕事とプライベートを分けて、きっちりそれぞれ楽しんでますかね。休日も仕事を持ってきちゃって、プライベートを楽しむ暇がないや、とか。

いおき うーん、思うんですけど、プライベートってなんですかね。

ささだ ……好きなことをやる?

いおき んー。結構仕事も好きなんで。

ささだ まぁ、好きじゃないとそういう生活は……。

いおき 出来ないですね。いろいろ不満が出たりはするんですけど、やっぱり面白いんで。

ささだ もの作りをしていくところとか。

いおき そうですね。

ささだ お客さんの要求を訊いて、モノが出来ていくという。

いおき お客さんの要件を聞いて、その業務を理解していくっていうのはすごい楽しいですし。青臭いのかも知れないですけど、このお客さんに喜んで欲しいなって、思ったりするんですよ、やっぱり。いいもの作りたいな、とかって面白いですね。

ささだ 仕事を休日に持ってきても、そんなに苦ではない?

いおき まぁそうですね。業務としての仕事という意味だと、あまり土日には持ち込むことは少ないんですけど、それでも多いんですけど。どっちやねん (笑)

ささだ 仕事のツールを作ってみたりとか。

いおき そうですね。そっちの方が多いですね。土日は。

ささだ そういう楽しみをやってると。それはそれで両立というか、立てている感じですよね。

いおき まぁ、よく怒られますけどね。もっと遊べって。

ささだ どっかつれてけとか?

いおき そうそう。

趣味など

ささだ 普段家では何をしているという話……色々出ましたけど。仕事のツールを作ってみたりとか、趣味のプログラムをしてみたりとか、それ以外では? 漫画が好き?

いおき 漫画は好きですね。

ささだ 小さい頃から好き?

いおき うん、そうですね。ずっと読んでますね。僕らの世代って、みんなそうだと思うんですけど。二千冊とかって言って、数が多いように思うかも分からないですけど、結局みんな読んでる数って、それぐらい当たり前のように読んでるんですよね。それを家に貯めてるか貯めてないかの差で。

ささだ 作品としては、ドラえもんが好きとのことですが。

いおき ドラえもんは大好きですね。

ささだ ドラえもんが好きになったきっかけは、何かあったんですか? 単行本もたくさん出てるし、アニメもたくさんやってるし、いつの間にか大好きになっていたとか。それとも、さっきの物理の話じゃないけど、きっかけがあるとか。

いおき やっぱ、気が付けば、ですかね。旅行とか行くときに、いつも漫画を持っていくんですよ。小っちゃい頃ですけど。そのときによくドラえもんを持って行っていて。旅行に行って持っていくんで、そんなに多く持っていけないじゃないですか。そうすると、一冊を何回も何回も読むんですよ。それでずーっとドラえもんばかり読んでた時期があって。

ささだ 旅行を楽しもうよ (笑)

いおき あ (笑) ほんまやー (笑)

ささだ でもまぁ、そういう楽しみ方もありますよね (笑)

いおき 今でも覚えてるんですけど、エジプトのクフ王のピラミッドのところに行って、ガイドさんが「皆さん行きますよー」って言ってる中で、「今ちょっと読んでるから後で!」って言ってたんですよね。

ささだ 小学校の頃にエジプト行ったの?

いおき はい。

ささだ すげー。エジプトでドラえもん読んでたんだ (笑)

いおき そうそう (笑) 旅のお供でしたからね、ドラえもんは。

ささだ 旅行って言うから、国内の旅行かと思ったら、エジプトだったかー。

いおき 国内だったら買えるじゃないですか、その辺で。国外なんで、買えないんで。向こうの言葉は分からないし。

ささだ (笑) そんなに好きだったんだ。持って行くぐらい。

いおき うん。

ささだ 今でも読むんですか?

いおき ドラえもんはもう最近は読んでないですけど。最近は部屋が狭いんで中々買えない。

ささだ 数が多くなると大変ですよね。

いおき 実家やったときは、アホみたいに買ってましたけど。あと、漫画以外やと、小説はまぁある程度は読みますね。

ささだ どんな作家ですか?

いおき うーん、太宰とか、村上春樹、筒井とか。太宰の人間失格はやばかったですね。何度も読みました。もうタイトルが凄いですよね、「人間、失格」ですよ。失格って (笑)

ささだ 今は他に映画とか音楽とかゲームとか。そういうのは特に無いですか?

いおき 一時期すごい、特定の映画にはまってるとかってのはあるんですけど、今はまってるものって……。今は無いんかな。

ささだ 何にはまったんですか?

いおき 映画ですか? 映画だと……ちょっと前だと……ちょっと古い映画ですけど……名前が出てこない。えーっと……ヘドウィック。ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ。

ささだ 分かんない。

いおき ホモの映画です (笑)

ささだ (笑) それは何度も観たんですか?

いおき 何度も観ましたし、式でテーマ曲を流したりとか。もう、ぜひ観てください。

ささだ 分かりました。課題映画で。

いおき ほんとに良いんで、あれは。

ささだ 休日とかに DVD を観たりとか。

いおき そうですね。最近は松ちゃんの「ガキ使」とか。

ささだ テレビ?

いおき まぁ、YouTube ですけど。ずーっと観てたりしますね。松ちゃんすごいなー、みたいな。さすがやなー、あの人。あの人は天才ですよね。

ささだ すごいと思う。関西人はお笑いとかにうるさいんですか?

いおき ギャー。なんかね、そう言われるんですけど。

ささだ 人によるとは思うんですけどね。

いおき 「お笑いにうるさいんだぞ俺」みたいな空気を出している関西人は、あまり好きじゃないんですよ。

ささだ いるんだ、そういうの (笑)

いおき やっぱいますね。それはちょっと、ここで突っ込んでよ、みたいなことを、堂々と言ってくるんですよ。おもんないから誰も突っ込まないのになー、みたいな。……なんつったりして。

ささだ (笑) なるほど。そういう人が近くにいたと。

いおき いや、いないんですけど。いないんですけど、そういう人もいると。……ささださんは東京ですか?

ささだ 東京です。

いおき 大阪って、第二位のひがみがあって、ずっと東京が一位じゃないですか、何でもかんでも。人口だってそうだし、経済だってそうだし、文化も東京が発信じゃないですか。江戸時代の歴史もありますし。そんなんで、大阪人って東京に対するひがみがすごい強くて。大阪独自の色じゃないと駄目だみたいな思い込みがあるんですよ。大阪人はおもろくないとあかん、みたいな。

ささだ へぇー。そういう空気もあるんだ。

いおき ありますね。東京の人をすごい嫌いますしね。

ささだ そうなんだ (笑) 「なにジャイアンツの話してるの?」みたいな。

いおき まぁそうですね。そういうのもありますし、一番大きいのは言葉ですかね。

ささだ 標準語使ってると……。

いおき キモっ、みたいな (笑)

ささだ (笑)

いおき そうなんですよー。

いおき 音楽は結構ね、色々ベタに好きでしたね。クイーンとか、ガンズとか、ジュディマリとか。

ささだ もう全然分かんないんですけど。すみません。

いおき あ、そうなんですか。

ささだ 名前は聞いたことがあるんだけど、どんなものか分からないという。

いおき えーっ、そうなんですか。全然聴かないんですか?

ささだ うん。そういうテレビとかでよく流れてそうな曲は全然分からない。クイーンとかはテレビでやらないかな。

いおき まぁ、CM でも使ったりしますけど。

ささだ 聴けば、ああ、あれねって、分かるだろうし。あの CM ね、とか。名前と曲が結びついてないというか。テレビ見ないので。

いおき ほー。じゃ、ミスチルとかは?

ささだ さすがにそれくらいは。我々の世代はミスターチルドレンとか、カラオケに行くと歌うじゃないですか。そういうので、ああこういう曲もあるのね、みたいな。

いおき (笑) じゃあ、カラオケに行って何を歌うんですか?

ささだ まさにそれなんですよ。無いんですよ、マジで。だから行かない。何年も行ってない。

いおき じゃ、行きましょうよ、今度。

ささだ 機会があればぜひ (笑) 高校のときカラオケとか行くじゃないですか。歌えなくて歌えなくて、一人でじーっとこう、みんなのを聴いてる感じ。

いおき えーっ。僕の友達は、同じように全然音楽を聴かなくって、カラオケ行かないやつが、たまたま、すごいかわいい娘がおったコンパで、そのままカラオケ行くぞって言ったときに初めてついてきたんですよ。そいつが、生涯にカラオケで歌った唯一の曲が「月月火水木金金」。軍歌。

ささだ すげー (笑) 軍歌をそのかわいい娘の前で歌ってたの?

いおき そうそう (笑) げつげつかーすいもくきんきん、みたいな。

ささだ なるほど (笑)

いおき まぁ、関係ないですけどね、今の話は (笑)

ささだ そんな感じですよ、私も。軍歌は知らないけど。

いおき そうなんや……。僕はミスチル大好きなんですよ。櫻井やったら、一晩だけ体預けるのもアリかな、というくらい好きです。

ささだ (笑) 今でもやってるんですよね、その人たちは。

いおき 全然やってますよ。

ささだ 長いですよね。

いおき 長いっすね。ずっと売れてますもんね。

ささだ だから、我々のときはスピッツとか。今でも時々名前を聞きますけど、あんまり……。

いおき まぁ、ミスチルに比べれば、あまり聞かなくなっちゃいましたね。

ささだ あの頃からずっとやってる人って、あんまり聞かないですけどね。

いおき B’z とか……。

ささだ 今もやってる?

いおき B’z はまだ続いてますよ。

ささだ そうなんだ。……すみません。

いおき まずいっすよ! 今のはちょっとまずいと思いますよ (笑)

ささだ SMAP も長いよね。ずっとああいうカラーでやってるじゃないですか。

いおき うん。

ささだ 我々が高校の頃とかからだから、十年ぐらい前からずっとやってますよね。

いおき 高校くらいでしたっけ? 中学ちゃうかな。高校やったかな?

ささだ もっと前かな?

いおき 分かんないですね。

ささだ すごいなと思いますね。

いおき うん。……ミスチルは好きなんで、今度ぜひカラオケを。

ささだ カラオケは聴き役に……。

いおき いえいえ、ミスチルを覚えて一緒に。

ささだ (笑)

ささだ 漫画で聞き忘れたんですけど、今はまってる漫画はあるんですか? 最近は読まないから分からないとか。

いおき 今やと……なんやろな。出たら絶対買う本ってのはいくつかあるんですけど。20 世紀少年とか。

ささだ 今あれ、最終章とかやってますよね。

いおき そうですね。やっと終わり始めたって言う。

ささだ あれなんか、ラベルが変わった?

いおき あ、変わりました、変わりました。

ささだ 要するに、20 世紀少年の何巻って形ではなくて、その一巻って感じですよね。良く分からなくて、買おうか買うまいかちょっと迷ってたんだけど、そうなんだ。

いおき あと、バガボンドとか。

ささだ 最近見つけた面白いものというのは特になし?

いおき 僕ね、雑誌を読まないんで。基本的に単行本なんですよ。雑誌だと一週間待てないんですよ。単行本やともっとスパンが長いのに、なぜか単行本の方が読めるんですよね。

ささだ ある程度まとまって読めるからですよね。

いおき そうそう。だから僕が面白いなと思う漫画は古くて。

ささだ 話題になったやつとか。

いおき 教えられて読んでみたら、すごい面白いとか。デスノートとか。……デスノートははまりましたね、一時期。

ささだ 今でもアニメとか観てるの?

いおき 夜中にたまにやってるなー、っていうのを観るくらいですけど。

ささだ デスノートは私も買いましたよ。面白かったですよ。売っちゃいましたけど。

いおき (笑)

ささだ あれは良く出来てますよね。

いおき そうですね。

ささだ 趣味の話はそんなところですかね。

いおき そうですね。……あとはプロレス……。

ささだ プロレス!?

いおき ……観戦とか。

ささだ ああ、観戦か、びっくりした。

いおき やらないですよ (笑)

ささだ 格闘技の流れでやるのかと思ったけど。

いおき まぁ、プロレスごっこはやってましたけど。

ささだ 後楽園に観に行ったりとか。

いおき 一番熱かったのは、中学校の頃なんですよね。東京に出てくる頃には、かなり熱が落ちてたんで。

ささだ 中学のときに一番熱かったと。

いおき あの頃は盛り上がってましたね、三沢対ハンセンとかね。ウィー。

ささだ 分かんないけどね。

いおき じゃ、やめましょう (笑)

ささだ (笑)

マシンのスペック

ささだ 使ってるマシンのスペック。仕事だと Power の AIX (笑)

いおき 仕事で……まぁ使ってるっちゃ使ってますけど (笑) ちょっと違いますけどね。サーバーなんで。

ささだ 家とかではラップトップとか。

いおき そうですね。

ささだ 何を使ってるんですか?

いおき ThinkPad。TrackPoint が無いと操作できなくて。

ささだ あれは私は使えなくて。全然操作できない。

いおき へぇー。あれが Mac とかに付けば、全然 Mac で良いんですけど。

ささだ ThinkPad じゃなくていいんだ。

いおき Mac の方がもてそうじゃないですか。

ささだ (笑)

好きな女性のタイプ

ささだ じゃ、モテの話つながりで。好きな女性のタイプは。

いおき 嫁さんですかね。

ささだ ……なぜここで保守的になるんですか?

いおき (笑)

今後の展望、将来の夢

ささだ 今後の展望、将来の夢。

いおき あー……。

ささだ Ruby に限らず、XP の話でも良いし。

いおき この前テレビを見てたら、アメリカの方で、釣りの大会があって。賞金が一千万とかなんですよ。すごいじゃないですか。釣りですよ。魚釣って一千万の国やったら、ソフトウェア書いたら何ぼ貰えるんやろと。

ささだ (笑)

いおき US 行きたいなー、とか思って。

ささだ それかよ!(笑)

いおき あと、ハワイとか良いじゃないですか。

ささだ ハワイでプログラミングしたいですよね。

いおき ねえ。

ささだ じゃ、海外進出が夢?

いおき 海外進出っていうと、何か偉そうですけど。アメリカやったらお金一杯もらえそうみたいな。ただ、悲しいことに英語が……。

ささだ エジプトとか行ってたのに。

いおき エジプトは英語あんまり関係ないですが、まぁ、昔は少し喋れたんですよ。

ささだ 喋れたの? すげー。

いおき 外人がホームステイとかにも来てたんで。

ささだ すごいねそれ。

いおき 一ヶ月とか外人と接してると、喋れるんですよ。でも全然駄目になりましたね。

ささだ でもまぁ、昔の経験とかは残るので、やり出したら喋れるようになるんじゃないですか?

いおき なんかねぇ、みんなそう言うんですけどね。うそやろなと思うんですよね (笑)

ささだ じゃあ、英語の勉強から。

いおき そうなんですよね。ちょっと英語を勉強せななーと思って。

ささだ 一緒にがんばりましょう。

いおき はい。

ささだ で、海外進出。で、ガッポガッポ。

いおき ガッポガッポ。海外進出というか、お金がもらえれば何でも良いかなと。

ささだ (笑) ……より良いテストを目指してとか、そういう話になるのかと思ったんですけど。

いおき あー (笑) もちろんその通りやと思いますよ!(笑)

ささだ いいんですけど (笑) 素直なのはとても大切ですよ。

いおき お金は大切ですから (笑)

ささだ そうそう。将来の夢は大富豪と。

いおき でもあれですよね、いいソフトウェアを書けたら。書けるようになりたいなとか。

ささだ なに、きれいにまとめようとしてるんですか。

いおき (笑) いやいや、ほんとにほんとに。

立石さんとの関係

ささだ 立石さんとのご関係は。同期だというふうにご紹介いただいたんですが。

いおき はい、そうなんですよね。年齢はちょっと違うんですけど。彼はドクターまで行かれてるんで。

ささだ じゃ、入社式とかでいたとか。

いおき いや、直接の知り合いではなかったんですね、ずっと。立石さんのいてる部署の同期と友達だったんですよ。同期の同期つながりで知り合いになって。で、RubyKaigi で、おおー立石さんかー、みたいな。違うか、研修で初めて会って、RubyKaigi で再会したんや。

ささだ RubyKaigi って、去年の?

いおき
はい、そうですね。それまではずっと、知ってはいたんですけどね。ずっとその友達が、パパ、パパって呼んでて。立石さん、パパじゃないですか。見た感じがパパっぽいじゃないですか。

ささだ それはよく分からないけど (笑)

いおき 老けてるって意味じゃなくって、何かこう、安心感があるっていうか。で、その友達が立石さんのことをずっと、パパ、パパって言うてたんで、僕も昔アンテナに「K** (友達の名前:編集略) のパパ」って書いたら立石さんに注意されて。「誤解を生むので止めてください」って (笑)。「はー、すみません、じゃ名前省略して K のパパにします」って言うたら、「違います。やめてください」って (笑)

ささだ あっちは冷静に来て (笑)

いおき 立石さんはいっつも冷静やなーって。

ささだ パパと自分、みたいな関係で (笑)

いおき はい……てか、大丈夫なんですかね、こんな話ばっかりで……ほんまに。ほとんど Ruby と関係ない話のような。

ささだ いやいやいや (笑)

いおき 実のない話ばっかりな気がするんですけど。

次のインタビュー

ささだ 次は誰にしましょう。

いおき 石塚さんはどうですか。石塚さんはインタビューされてないですよね、確か。

ささだ ぜひぜひ。……石塚さんと何を喋れば良いのかな (笑)。難しい話は出来ないし。馬鹿話なんかはしづらそうですね。

いおき いえいえ。

若手に一言

ささだ 若手に一言。

いおき 僕も若いんでね。

ささだ オブジェクトの広場のインタビューでそれを聞かれてさ、まったく同じ答えをして。

いおき でもそうですよね。何て答えました?

ささだ 何だろう。コミュニティに出ると良いとか、そんな話をしたような気がするんだけど。覚えてないよもう。

いおき あー。

ささだ 何かあります? 過去の自分でも良いし。

いおき 過去の自分ですか。過去の自分というか、若い人。……若い人って、僕からするともう学生とかね。小学校、中学校……。

ささだ そういう人は読んでないから (笑)

いおき あ、そうすか (笑)

ささだ 小学生にこれからは Ruby をとか言ってもねぇ (笑)

いおき がんばってくださいと。……すみません。

ささだ (笑)

読者へ一言

ささだ 読者へ。

いおき いやー、何か偉そうですみません。

ささだ ネガティブだなー、なんか (笑)

いおき ネガティブっていうかね、ほんとこう、新参者……。

ささだ いや、新参者って言ったら私もそうなんで。

いおき いや、Ruby に関してもそうですけど、IT 業界に対して新参者なので、ベーシックな知識が全然欠けてるんで。

ささだ じゃ、その辺がコンプレックスになってるんだ。

いおき うん。なんかね、砂上の楼閣じゃないんですけど、かなりもろさを、すごくいつも感じるんですよ。こうやって偉そうにインタビューとかさせてもらってますけど、そんな大した人間じゃなくて。謙遜じゃなくて。

ささだ いや、それを言うとみんなそうだと思いますよ。自分はすごいと思ってる人はいないとおもいますよ。

いおき すごいと思う……まぁそうですね。ただ、やっぱり自分の中で、もっときちっと物事を学んでいかなきゃなとは思う。学んでいかなきゃというよりも、焦りに近いんですよね。

ささだ まぁでも、それはやれば出来るので。モチベーションが無いと、全然無いので。で、何か言いたいことはあります?

いおき この業界に入って、最初に衝撃を受けたのはやっぱり XP だったので、XP にはすごい感謝してますね、やっぱり。何かすごい楽しいんだなって。

ささだ 最初に入ったコミュニティとかは?

いおき XP 関係ですね。平鍋さんがやられてるオブジェクト倶楽部のイベントに参加したのが最初ですね。

ささだ 今って全然オブジェクトと関係ないじゃないですよね。

いおき 全然関係ないですね。どんどん関係なくなってるんですよ。昔はちょっとあったんですけど。

ささだ そうそう。オブジェクトモデリングがどう、とかね。今はアジャイルとかなんとか。

いおき 朝会がどうのとかね。大事なんですけどね。最初はほんと、オブジェクト倶楽部のイベントに、僕も出席しますっていうメールを送るときに、恥ずかしながら、一時間ぐらい迷ったんですよね。メールの下地だけ書いて、出そうか出すまいか。

ささだ 何に迷ったんですか?

いおき なんかね、やっぱ分かんないんで。僕が行っても全然ついていけないんじゃないかとか。

ささだ 最初は誰も分からないじゃないですか。

いおき そう言えば、そうなんですけど。

ささだ それは誰にメールを?

いおき メールっていうか、申請って言うか。申し込みメールなだけなんですけど。申し込みメールを、一時間ずーっと。俺が行ったってしょうがないちゃうかなーとか。なんか変に怖いなーっていうイメージしか無くて。行ってみたら面白いなって。

ささだ それが今や、XPJUG の一員として色々なことを。それはやっぱり、コミュニティ活動が楽しいから、とんとん拍子って感じですかね。

いおき とんとん拍子って訳じゃないですけど。

ささだ 比較的モチベーションがあるというか、仕事をしてくれる人って少ないですよね。逆に、どこのコミュニティでもそういうのは引っ張りだこだとは思うんですけど。

いおき やっぱり、中にいてる方が楽しいですよね。

ささだ そう思いますね。

いおき 青木さんのリファレンスマニュアルのやつは、参加してるんですけど、何も活動してなくて。

ささだ それは私も一緒です。

いおき あ、そうですか。

ささだ またグダグダになってしまった。ではそんなところですかね。今日はどうもありがとうございました。

いおき ありがとうございました。

おわりに

今回は機械猫モッカーや、rubytok の作者であり、日経ソフトウェアの連載記事「Rubyの歌を聴け」の執筆者である伊尾木さんにお話を伺いました。お忙しい中、本当にありがとうございました。次回は、Ruby の名付け親である石塚さんにお話を伺います。お楽しみに。

(インタビュー:ささだ、編集:むらまさ、ささだ)


  1. なんと先日、ささだはオブジェクトの広場にインタビューを受けた。 

  2. この言葉についての詳細はオブジェクトの広場で (カットされてなければ)。 

  3. ささだ注:なんかひどいこといってるな。 

  4. [[http://rubyforge.org/projects/rubytok/]] 

  5. next 構文と勘違いした。ここでは String#succ の別名。 

  6. ささだ注:irb の設定次第では、試行した結果が残る。けど、やっぱプログラムはエディタで書きたい。 

  7. RubyKaigi 2006 「Ruby プログラミング + モデリングでより楽しくなろう - その 1」 

  8. RubyKaigi 2007 基調講演『The Island of Ruby』 の『考えるままに書けること』のところ 

  9. ささだ注:この例では IO.readlines を使ったほうがいいと思う。 

  10. 1995,6 年くらいか? 

  11. ささだ注:独学じゃないと、って意味です。資料はたくさんあるから、勉強する方法自体は豊富にあると思う。 

  12. 6 月の RHG 読書会だったと思う。 

  13. ケルナグール 

  14. 神戸から宝塚への移動ルート 

  15. ITPro - まつもとゆきひろ×結城浩,Rubyを語る の中で「そこにシビれる!あこがれるゥ!」と言っている 

  16. 映画を見たのは中村 (う) さんだったらしい。