著者:笹田耕一
おかげさまで、Rubyist Magazine は 5 周年を迎えました。そこで、今年 1 年間、およびこれまでのるびまについてまとめ、今後について考えてみたいと思います。
まず、今年 1 年を振り返ってみると、5 年目はこの 27 号を含めて 3 回しかリリースしていません。
2 月、6 月、9 月です。なかなか期間があいており、数が少ないのが響いているなぁ、という感じです。
ちょうど、この辺の事情は 1 年前に Rubyist Magazine 4周年に寄せて で書いた内容と殆ど一緒です。というか、ほぼコピペです。端的に言って現状維持、というところでしょうか。
記事としては、インタビュー記事である Rubyist Hotlinks が 1 回も出せませんでした。残念。これについては少し後述します。
25 号、26 号とも、特集記事に強く特徴があらわれたんじゃないかと思います。
25 号は Ruby 1.9.1 リリースにあわせて、Ruby 1.9.1 に関する記事を集めました。
他には、GC に関する技術的に濃い話を Ruby のコミッタである nari さんに書いてもらった レアでアレなGCの話。福岡から積極的に Ruby を活用を訴える RBC の紹介をして下さった Ruby ビジネス・コモンズ(RBC) および主催勉強会の紹介、ちょうど学会で Ruby の話題がたくさんあったので書いてみた 学術会議とRuby、という単独記事がありました。また、RubyConf2008 があったので、Ruby Conference 2008 レポート を書いてもらいました。
26 号は、まさに地域 Ruby 会議の特集でした。25 号で書かれたレポートをあわせると、こんな感じです。
沢山やってますねぇ。まさに、全国津々浦々。ちゃんと、レポートを残して頂いている点もよいかと思います。しかし、The RubyKaigi のほうのレポートがないのはアンバランスな気がしますね。個々の内容は、動画や資料などがあるので詳説する必要はないと思うのですが、全般的な概要をまとめる記事は必要な気がしますね。誰か書いてくれないかな。
27 号については、ご覧の号なので、詳しい説明はしません。が、いろいろと目新しい記事が増えています。そういえば、【五周年記念企画】 Rubyist Magazine へのたより が復活してますね。
連載は、最近世界一のプログラマとして認められた1浜地慎一郎さんによるるびまゴルフが安定して執筆されています。ブログなどでの反応もよく、人気連載になっているようです。連載ではないですが、読者プレゼントも続いています。ありがたいことです。
おっと、高橋編集長の巻頭言がありました。ちゃんと続いています。twitter を導入 (?) したりと、色々挑戦しています。
るびま関連ですと、もう一つ RubyKaigi2009 にて、ささだがるびまに関する発表を行いました (Rubyist Magazine が出来るまで)。るびまに関するまとまった話は、実は初めてだったんじゃないかと思います。るびまについて、出来るまで、と現状分析、および今後について言及しました。発表資料は http://www.atdot.net/~ko1/activities/rk2009-rubima.pdf にあります。
5 年間で 27 号ということで、平均 5.4 回リリース / 年 (去年は 24 / 6 = 6 回でした)。1 年目は 8 回リリースしていたのが効いています。記事数では 381 記事、12.7 記事 / リリース、75.5 記事 / 年。ということになります。
近年のこの現状分析の項はけっこう悲観的なことを書いていたんですが、最近は少し事情が変わってきました。
なんといっても、新しい編集者の人がたくさん参加してくれているということでしょう。RubySapporo で活躍されていて、最近日本 Ruby の会理事に就任された島田さんがたくさん勧誘してくれたこともあって、久々に編集 ML が盛り上がってる感じです。大変ありがたいことです。
また、新しい試みとして、オフライン編集者会議が 2009 9/13 (日) に開催されることになりました (多分、リリースは 9/13 ですが、これを書いているのはもっと前の日なのです)。精力的にるびまの編集活動をされている zunda さんが来日されるのにあわせての企画です。遠方の編集者には日本 Ruby の会からの資金援助つきという企画になりました。とてもいい感じじゃないかと思います。しかも、この企画を建てたのが私じゃないというのが大変よいです。脱ささだ体制が整ってきている感じ。
あと、先日 Rubyist Hotlinks のインタビューを行いました。本当に久しぶりです。というわけで、28 号 (何時になるんだろう) ではインタビューをお届けする予定です。しかも、来週にはもう一本インタビューをする予定です。というわけで、29 号 (何時になるんだろう) でも、インタビューをお届けできる算段です。
5 年目も、あまり数は出せなかったけれど、現状はそんな感じで、また盛り上がっているような気がしています。
そんな感じで、なかなか明るい Rubyist Magazine な気がします。今の体制なら、記事の募集とか企画の立案とか、安定してできるような気がしています。出そう出そう、と騒ぐ人 (そして、最近騒げないささだ) が居なくても、他に騒ぐ人が居てくれるというのは、大変喜ばしいことではないかと思います。
来年、この欄を書いているのは私じゃないような気もします。インタビューも、誰か交代しないかな。
るびまは 5 周年を迎えました。ありがたいことです。5 周年。人間ですと、もう幼稚園に行ってる時期ですね。継続は力なり。今後とも、続けていけるといいですね。
というわけで、こんなるびまに、記事書いてみませんか?
笹田耕一。1979 年生まれ。2004 年東京農工大学大学院工学研究科博士前期課程情報コミュニケーション工学専攻卒業。2006 年同大学院工学教育部博士後期課程電子情報工学専攻退学。同年東京大学大学院情報理工学系研究科特任助手、2007年同助教、2008年同講師 (現職)。オペレーティングシステムやシステムソフトウェア、並列処理システム、言語処理系、プログラミング言語に関する研究に興味を持つ。情報処理学会、ACM各会員。Rubyコミッタ、日本Rubyの会理事。
なんか、いつの間にか研究室をもつようになって 1 年強。Ruby を触る時間があまり取れないけれど、取れるようになるために Ruby に関する共同研究、受託研究など募集中です、とか宣伝してみる。
ICFP プログラミングコンテスト 2009、日本人が 1 位に輝く http://slashdot.jp/developers/article.pl?sid=09/09/02/0158219 ↩