書いた人: Aki (@spring_aki)、ひがきまさる (@higaki)、今井伸広 (@no6v)
今回で 3 回目となる関西 Ruby 会議。 今回は関西内外の交流をテーマに多くの Rubyist が集まりました。
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今回も関西オープンソース (以下 KOF) というイベントの会場をお借りしての開催となりました。
参加者は関西 Ruby 会議に限らず、KOF のセミナーやブース展示を自由に見てまわれます。 Ruby 関西もブース出展しました。
平日の金曜日ということもあり、スーツ姿もちらほら見掛けました。
はじめに Rails の歴史を振り返り、Rails が Ruby コミュニティや他のフレームワークに与えた影響についてお話いただきました。 その後、Rails3 の特徴についてお話いただきました。
質疑応答では初心者向け情報・日本語の情報はないか? Rails2 から Rails3 への移行のポイント。業務アプリに不可欠な帳票出力の方法などの質問がありました。
仕事の現場では MS Office を使った面倒な仕事が沢山あり、みんな不満を抱えながらも手作業を繰り返している現状があります。 その面倒な作業を Ruby で自動化した事例をデモを交えて多数紹介していただきました。
質疑応答では想定質問集が用意されていて、自作自演の Q&A が行われました。会場からは、関西に Ruby の SI 案件は多いのか? 自動化で効率を上げると、その分だけ仕事が増えるのではないか? などの生々しい質問が相次ぎました。
KOF には講師と司会者の掛け合いによるショートセッションが多数用意されています。 2 日目、朝 1 番のステージに日本 Ruby の会から高橋会長が登壇しました。
電子書籍の各種フォーマット、ビュアー、EPUB 1 の作成方法などを紹介していただきました。 また達人出版会の電子書籍の紹介もしていただきました。 朝早いステージでしたが会場は超満員の大盛況でした。
福井さんは Ruby 関西の創設メンバー。まずコミュニティ結成の経緯をお話いただきました。
つづいて Web アプリケーションフレームワーク Ramaze を紹介していただきました。Ramaze は他のフレームワークに比べてシンプルで軽量だそうです。
なお発表は全て iPad で行われました。
代表作「インターネット物理モデル」の製作時、会場開館を 1 ヶ月前になっても絶賛制作中という状況で Ruby を実践投入し、短く厳しい制作期間を見事乗り切ったというお話や、宇宙熊に演歌を歌わせるというユニークなゲーム「くまうた」を当初 Ruby で開発していた事などが語られました。ユニークなメディアアート作品を作る中で何故 Ruby を採用したのか。また、Ruby がメディアアートに対してどのような役割を担っているのか。という話をご紹介いただきました。
KOF 来場者も多いお昼の講演だったこともあり、会場は 20 人以上の立ち見が出ていました。
もちろん著書「パターン、Wiki、XP」の宣伝も抜かりなく行われ、サイン会にもたくさんの方が列をなす盛況ぶりでした。
Ruby 関西の名物企画、初級者向けレッスンの出張版。 会場に用意された PC を利用したハンズオンを入替制で 2 回行いました。
Ruby に興味はあるものの、京都で開催される勉強会に参加する程ではない……そういう人が多いのか、2 回とも定員オーバーの大盛況でした。
既存のクラスの拡張方法として、サブクラス化・mix-in・特異メソッド・オープンクラスについて、それらの利用方法と問題点をあげ、selector namespace 2 と Classbox 3 による解決策を紹介した上で、新たに実装した Refinement という機能について説明していただきました。
ふるかわさんはモバイラースオアシスの開発でスクレイピングに関する豊富な経験をお持ちです。 LibraHack 事件を踏まえ、逮捕されないスクレイピングの仕方を指南していただきました。
数学に Ruby を使ってみようということで、完全数の探し方を紹介していただきました。 1..100_000 までの間に完全数は 4 つしかありませんでした。
大阪ミナミを拠点に活動している Minami.rb の紹介と、業務後ティータイム (隔週の水曜日に開催されるもくもく会) の紹介をしていただきました。
オープンソース CMS Joruri (Japan Originated Ruby-based RESTful and Integrated CMS) と、そのコミュニティ「じょうるり陣」を紹介していただきました。 飛び入り参加で発表していただきました。
ruby-processing を使って有名なキャラクターにネギを振らせるデモを披露していただきました。
リフレクションとは実行時にプログラム自体の情報を問い合わせるメタプログラミングのこと。 数ある技の中から Module#method_added と Module#define_method の組み合わせを紹介していただきました。
Ruby で実装された Lisp 処理系 Nendo を紹介していただきました。 Lisp から gem ライブラリが利用できるそうです。 Nendo で実装された日本語 IME Sekka (石火) も紹介していただきました。
ライブコーディングで Rails アプリケーションを作成。 アジャイルかわばたさんは 5 分間無言でコーディングに集中したので、よしだあつしさんが代わりに解説してくれました。
Ruby 会議と言えばジュンク堂。 今年もジュンク堂書店 KOF 店が開店しました。
ジュンク堂書店 KOF 店では、KOF に参加した各コミュニティが推薦する書籍が販売され、著者によるトークショー & サイン会は大勢の人で賑いました。
Ruby 関係では、以下の書籍のサイン会が行われました。
江渡さんの「パターン、Wiki、XP」は、ジュンク堂書店 KOF 店の売上げランキング第 1 位に輝きました。