まとめた人:ささだ
先月 10 月 14 日 (金) から三日間、Fifth International Ruby Conference、通称 RubyConf 2005 がアメリカはサンディエゴで行われました。この日程は、同じくサンディエゴで 10 月 16 日 (日) から行われた OBJECT-ORIENTED PROGRAMMING, SYSTEMS, LANGUAGES and APPLICATIONS 2005、通称 OOPSLA’05 に日程をあわせて行われました。
今回はなんと総参加者が 200 人弱と、去年が 60 人ほどだったものに比べ、大変規模が大きくなりました。また、日本人参加者がなんと 14 人! 去年までの日本人参加者の最大数は 3 人だったそうなので、これまた凄い人数です。Ruby on Rails 効果による Ruby の人気と、OOPSLA に日程と場所を合わせた効果だと思いますが、それにしても Ruby の注目度は非常に高いことが伺えます。
本稿では RubyConf 2005 に出席した人の生の声を中心にまとめたいと思います。
プログラムは会場で配布された Agenda1 より引用します。
また、各発表について、独断と偏見で一言コメントを付けさせていただきます。
前日の昼から Rubyist 達がホテルに集っていた。ロビーに入ったら、テーブルを囲んで PowerBook を開いている集団が目にとまり驚いた。夜は Gordon Biersch というブリュワリーレストランに行って、皆で食事をした。
(写真は被告人席に座っているまつもとさん)
8:30 Continental breakfast
12:00 Lunch
8:30 Continental breakfast
卜部さんが各セッションの模様を聞きながら日記に書く (!) という離れ技をやってくれたので、詳細はこちらをご覧ください。日本語です :)
日本人参加者より RubyConf 2005 の感想を頂きました。
キーワードは「多かった」でしょうか。
Exciting!
まつもとさんのプレゼンに感動しました。いまから Ruby 2.0 が楽しみです。
“Wild and Weird” な Ruby 万歳!
初めての海外旅行、初めての RubyConf でしたが大変興味深い発表ばかりでとても有意義でした。本当は議論とかいろいろ参加したかったけどさすがにそこまでの会話スキルはなくてあまり参加できなかったのが残念です。ぜひ次回以降も条件 (予算とか……) が許せば参加したいと思います。
まだ Ruby を始めてから二年くらいの私ですが、仕事をすべて Ruby で片付けるようになり、RubyConf にも参加してみました。感想は、とにかく Nice なコミュニティだということです。
もう一つの感想は Matz は魅力的な人物だなあ、ということです。Round Table で質問にウィットの効いた答えを返す様子はカリスマを感じました。
私も Ruby に対して何か貢献できるかもしれないという思いを抱いたカンファレンスでした。
Ruby == Happy Hacking
空港で盗難にあいました。貴重品は必ず機内持込しよう! そういう感想はさておき。
四方八方 Ruby Fan という熱気を浴び、日頃名前しか目にしない方々とお話したりして、想像と現実の調整ができました。 セッションは、知らないことだらけということではなかったので一安心 (?) だったのですが、仕事として Ruby を使っている割合が 1/3 ほどもあって驚きました。
Ruby は、もはや趣味の世界ではなく、欠かすことのできないものとして回っていることを目のあたりにできました。何か役立つものを知ろうという意気込みが会場に満ちていたと思います。Keynote では、まつもとさんへの 200 人からの大拍手が鳴り止まず、海を越えたここにも素晴らしいコミュニティがあることを実感しました。
来年に向けて、Ruby はもちんですが、英語力をもっと上げないと……。議論の輪になかなか入れないのは残念。
今年の Ruby Conference は、なんといっても Rails 効果ですね。3 日目は一部で「Rails トラック」とも呼ばれてたほど、DHH のスピーチで始まり、Talbott のちょっとよく分からない話に続き、午後の Rails セッションでも Rails1.0RC 版 (最終的には 0.14.x としてリリースされたもの) についての変更点についてもろもろ説明があり、という Rails づくしでした。前回の RubyConf2004 における DHH の初発表から 1 年を経て、Rails の躍進振りを思わせるものでした。
もっとも、RubyConf 初の 200 人規模にまでなったのは、OOPSLA 効果があったのも忘れてはいけません。実は、RubyConf は第 2 回まで OOPSLA の開催直前に OOPSLA 会場に近い場所で行われていたため、OOPSLA 参加者がついでに来る、という例が多かったのでした。実際、前回の RubyConf より第 2 回の方がのべ参加者が多かったと記憶しています (ちょっとあいまい)。
いずれにしても、この勢いで増えつづけると、主催者側はたいへんでしょうね。でも、日本でもこれくらいの規模の国内イベントをやってみたいとも思った 3 日間でした。
RubyConf2004 に引き続き参加しました。
小ぶりだった昨年にくらべて、全体の参加人数が 3 倍になるし日本人参加者も 14 人もいるし (昨年は 3 人)、すごい盛り上がりを感じます。
本当のことを言うと私は RubyConf に来て international な開発者たちと議論できるような英語力があるわけではないのですが、それどころかセッション内容を聞くことすらおぼつかないわけですが、それでもここでしか得られない刺激をたくさん受けて帰ってきました。
Ruby の周辺は成長し続けているので、今から来年の RubyConf がたのしみです。そのためにいろいろとがんばらないとなあと再認識。
これを読んでいる皆さんも、海外の Ruby コミュニティが持つ刺激を受けるためにぜひ参加を検討してみてください。
カンファレンスでは、もっと人としゃべれたらなあと思うのですが、語学力が追いついていけませんでした。
また、海外ははじめてということもあり、身に覚えのない荷物が紛れこんだりして驚きの連続でした。
もう少し英語が使えるようになろう。
英語はわかりませんでしたが、Ruby のコードはよくわかりました。Ruby 万歳。 コードが出て来ないようなプレゼンはぜんぜんわかんなくて、あとで卜部さんの日記のレポートを読んではじめて内容を理解してたりしました :(
昔書き散らしたプログラムのおかげで何人かの人に話しかけてもらえて、片言ながら多少話ができたのがよかったです。いつか日本でも International な Ruby Conference ができるといいですね。
今回の RubyConf ではプレゼンテーションの重要さを痛感しました。 もちろんスライドを使ってやるプレゼンも含まれますが、 英会話とか、プロジェクトの宣伝のしかたとか、 とにかく提示のしかたすべてに関して危機感を覚えます。
えーと、とりあえず…… Mac でも買うか。
RubyConf の熱気は凄いし楽しいので、つい日本でも Ruby Conference みたいなものをやることにしてしまいました。
英語は、OOPSLA も含めあまりに悔しいので iPod nano を買いました。英会話能力に結びつくかは不明。
RubyConf 2005 が場所、時期をあわせた OOPLSA’05 に、RubyConf 2005 参加者の日本人としては新井さん、江渡さん、田中さんとささだが参加しました。江渡さんは Wiki Symposium での Paper 発表 (qwikWeb - Integrating mailing list and WikiWikiWeb for group communication)、ささだは OOPSLA の Poster 発表 (OOPSLA’05 - YARV: Yet Another RubyVM) を行いました。江渡さんによる Wiki Symposium の報告は SoftwareDesign 誌 2006 年 1 月号の Wiki つまみぐいで掲載されるとのことです。
Ruby 関連の話ですが、まず 10 月 17 日 (月) が私のポスター発表でした2。ほかのポスター発表の人は設計やら理論やらプロセスやらだったので、実装の話は思いっきり浮いてるなぁ、という感じだったのですが、Ruby 自体に興味を持つ人が多く、立ち止まって見てくれる人、声をかけてくれる人は多かったです。また、OOPSLA は Smalltalk ハッカーが多いコミュニティですので、Smalltalk 関連の実装の話を色々と聞くことができました。
その次の日、10 月 18 日には Dynamic Language Symposium があったのですが、その中でも Ruby に興味がある人は多かったようです (シンポジウム開始後、いきなり、聴衆全員が自己紹介をする、というイベントがあって焦りました。そのとき、Ruby という単語を喋っていた人が多かった、という話です)。その中の 1 セッション、Implementing Dynamic Languages on the .NET CLR を聞きに行ったのですが、なんと中心になったお題は Ruby の .NET 実装! 英語が聞き取れなくて議論に参加できずに大変悔しい思いをしました。
10 月 19 日には夜に Ruby の BoF を Ryan Davis が中心になって開催していたのですが、裏番組に Sun がデザートを配るというイベントがあったからか (私も最初はケーキを食べてから行きました)、10 人強という感じで、Rails に興味がある人が集まった、という感じでした。
Ruby というキーワードは OOPSLA では思いのほかよく聞きました。OOPSLA は研究よりの人たちが集まるコミュニティですが、Ruby はその中でも注目を浴びていると感じました。
本稿では出席者の声を中心に RubyConf 2005 をレポートしました。
Ruby Conference 2004 レポート を見ると、
60 人ほどの出席者の中で、日本人は 2、3 人というのはやはりさびしいので、来年はもっと日本人の出席者が増えるといいですね。来年は日本人出席者 4 名の最高記録を目指したいです。
と書いてあったりして、目標 (なんの) を凄い越したなあ、という感じです。
今月の巻頭言にもありますが、日本 (日本語) だけでの RubyConf みたいなものも企画しておりますので、そちらにも是非ご期待ください。アメリカに行くより近いですよ。